【ガルパン】みほ「マジカルバナナ!!!」

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/07/21(木) 15:22:20.83 ID:skTSx6sM0
※1人だけ酷い目にあいます
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1469082140
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/07/21(木) 15:22:40.49 ID:skTSx6sM0
黒森峰学園艦自室
ザーザー…
みほ(暇だなぁ…)
まほ()カキカキ
エリカ()ドキドキ
みほ(……)ポケー
エリカ(……)ポケー
まほ(……)ポケー
赤星(……)ポケー
ドンガラガラガラガラ!!
エリカ(すごい雷…)
みんな(………)
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:23:13.74 ID:skTSx6sM0
みほ「お姉ちゃん…」
まほ「どうしたみほ?」
みほ「何時になったら出港するの…?」
まほ「天候が回復したら出港出そうだ」
赤星「雨…激しいですね…」
エリカ「3時間待って進展無しは辛いですよね…」
みほ「…」
エリカ「…」
まほ「…」
赤星「…」
みんな(…)
みんな(暇だなぁ…)
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:23:51.18 ID:skTSx6sM0
赤星「な…なんか気分転換する遊びでもしませんか、このままだとみんな息が詰まっちゃいます」
みほ「どんな遊びがあるの?」
赤星「マジカルバナナとかどうです、人数も4人いれば盛り上がりますよ?」
エリカ「マジカルバナナぁ?待機中でも練習中よ、イメトレでもしなさいよ」
赤星「……」
赤星「逸見さんが普段聞いてる音楽、文章にしてみんなに配ってもいいのよ?」
エリカ「!!?!!?」
エリカ「た、た、た、たまには息抜きのレクリエーションも大事よね!」アセアセ
エリカ「ねぇみほ!あなたも賛成よね!」
みほ「そ、そうだね」ビク
エリカ「隊長もやりましょう!」
まほ「…まぁ良いんじゃないか」ビク
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:25:10.22 ID:skTSx6sM0
まほ「すまない…赤星、マジカルバナナとはなんだ?」
みほ「え、お姉ちゃんマジカルバナナやったことが無いの?」
まほ「名前だけなら知ってるんだが…、あまりそう言う遊びはやらなかったんだ、ルールを教えてくれ赤星」
赤星「マジカルバナナとはですね…、リズムに合わせる連想ゲームです、例えばマジカルバナナ!、バナナと言ったら果物」
エリカ「果物と言ったらみかん…、といった感じで、リズムに乗って連想を続けるゲームです、途中連想できてなかったり、連想が出来なくなったらアウトになります」
まほ「…簡単そうだな」
赤星「練習がてらやってみましょう」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:25:46.77 ID:skTSx6sM0
【第1ラウンド】
赤星「マジカルバナナ!バナナと言ったら剥ける!」
まほ「ハイ!剥けると言ったらち〇ぽ!」
みほ「ハイ!ち〇ぽと言ったら!」
エリカ・赤星「ちょっとまって下さい!」
まほ「…どうしたんだ?」
エリカ「隊長…しょっぱなから来ましたね」
赤星「下は禁止です!禁止!」
みほ「ち、ち〇ぽと言ったら…///」
エリカ「あんた何続けようとしてんのよ!」
みほ「だ…だってぇ…」
まほ「そうか、下は禁止か…すまない、気をつける」
エリカ「みほ、あんたも便乗しなくて良いから」
みほ「ご、ごめんなさい…」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:26:36.98 ID:skTSx6sM0
【第2ラウンド】
赤星「仕切り直しです、ハイ!マジカルバナナ!バナナと言ったら黄色!」
まほ「ハイ!黄色と言ったらバナナ!」
みほ「ハイ!バナナと言ったら!」
みほ・エリカ・赤星「待ってください!」
まほ「なんだ…何が不満なんだ?」
赤星「前のことを繰り返すのは禁止です!」
まほ「そ、そうなのか」
エリカ「隊長…」
みほ「そうだよお姉ちゃん!それが出来たらマジカルバナナに終わりは無くなっちゃうよ!」
まほ「すまない…次から気を付けよう…」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:27:24.33 ID:skTSx6sM0
【第3ラウンド】
赤星「…仕切り直して…ハイ!マジカルバナナ!バナナと言ったら黄色!」
まほ「ハイ!黄色と言ったら色!」
みほ「ハイ!色と言ったら赤色!」
エリカ「ハイ!赤色と言ったらりんご!」
赤星「ハイ!りんごと言ったら甘い!」
まほ「ハイ!甘いと言ったらカレー!」
みほ・エリカ・赤星「!?!?!?」
みほ「ちょっと待ってお姉ちゃん!カレーは甘くないよ!」
エリカ「そうです隊長!カレーで甘いは連想できませんよ!」
まほ「エリカ、星の王子様とか甘いんだぞ」
みほ・エリカ・赤星「………あー…」
まほ「カレーは辛え…ふふふ」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:27:58.69 ID:skTSx6sM0
【第4ラウンド】
赤星「ま…」
赤星「…マジカルバナナ!ハイ!バナナと言ったらフィリピン!」
みほ・エリカ(前の流れをなかったことにしたよ!)
まほ「!?」
まほ「ハイ!フィリピンと言ったら、あの日…フィリピンの砂浜で英雄となったひぃお爺ちゃん!」
みほ「ハイ!あの日…フィリピンの砂浜で英雄となったひぃお爺ちゃん…って誰ですか!?、私知りませんよ!」
まほ「私が作った」
エリカ「創作と捏造も禁止です!」
赤星(アンチルールばかりやってくるな…この人)
まほ「創作と捏造も禁止か…」
みほ(あたりまえなんだけどなぁ…)
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:28:52.81 ID:skTSx6sM0
【第5ラウンド】
赤星「仕切り直しです…ハイ!マジカルバナナ!バナナと言ったら滑る!」
まほ「ハイ!滑ると言ったら!」
まほ「滑ると言ったら…?」ウーン…
まほ「滑ると言ったら…!」ヒラメキ?!
まほ「滑り台!」
まほ「ハイ!」
みほ・エリカ・赤星「ハイじゃないよ!」
まほ「!!?」
赤星「なんで驚いてるんですか!?」
エリカ「1回で連想ができなかったらアウトなんですよ!」
みほ「お姉ちゃんなんでズルばっかするの?」
まほ「そ…そんなんじゃ無いんだ」
みほ「お願いだから真面目にやってよね」
まほ「はい…」
エリカ・赤星(こんな隊長見たく無いなぁ…)
まほ「次からは本番だ、おふざけなしで行こう」
みほ「じゃあ次から失敗した人は罰ゲームね」
まほ「み」
みほ「異論は認め無いから」
まほ「はい…」
赤星(みほさん相当きてるなぁ)
エリカ(この調子じゃ仕方が無いわよ…)
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:29:51.82 ID:skTSx6sM0
【第6ラウンド】
赤星「そ…それじゃあ…、マジカルバナナ!バナナと言ったらダイエット!」
まほ「ハイ!ダイエットと言ったら無理するな!」
みほ「!!?」
みほ「ハイ!無理するなと言ったら…えーと…えーと…」
まほ・エリカ・赤星「みほアウトー!!!」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:30:58.62 ID:skTSx6sM0
みほ()
みほ「ず…!」
みほ「ずるいよお姉ちゃん!無理するななんて不正だよ!、お姉ちゃんがアウトだよ!」
まほ「アウトか?」
エリカ・赤星「うーん…」
エリカ・赤星「ギリギリセーフですね~」
まほ「だそうだ」ニッコリ
みほ「…!!」ピキピキ
みほ「そ…」
みほ「そもそもエリカさんと赤星さんは無理するなと言ったらなんて言うんですか!?」
エリカ「恋愛…とか?」
赤星「夜更かしとかバイトとか色々ありますよね」
まほ「たぁくさんあるじゃ無いか」ニッコリ
みほ()イラッ
みほ「わかりました、次のラウンドに行きましょう、次からは本気を出します」
エリカ「本気出すのは良いけど、罰ゲーム受けたあとから本気出してもらうわ、はいこれ」
箱
みほ「え…」
みほ「なんですかこの箱?」
エリカ「黒森峰罰ゲームボックスよ、この中から一枚引いて頂戴」
みほ「え。」
まほ「罰ゲーム有りはみほが言ったんだ、受けてもらうぞ」
赤星(みほさん不憫だなぁ…)
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:31:43.26 ID:skTSx6sM0
みほ「…」
ペラ
【しっぺ】
みほ「ん…これ」
まほ「しっぺか、誰がやる?」
エリカ「私が行きます」
みほ「ん」
エリカ「袖、めくりなさいよ」
みほ「ん…」
めくりめくり
みほ「ん」
エリカ「いくわよ…」
バチィン!!!
みほ「あ゛ー!」
まほ・エリカ「あっはっはっはっはwww」
みほ「……」イライラ
赤星(あぁ…)
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:33:01.56 ID:skTSx6sM0
【第7ラウンド】
赤星「…」
みほ()イライライライラ
赤星「ま…マジカルバナナ!バナナと言ったらお猿さん!」
まほ「ハイ!お猿さんと言ったらチンパンジー!」
みほ「ハイ!チンパンジーと言ったらエリカさん!」
エリカ「ハイ!エリカさんと言ったら、ふざけんじゃ無いわよ!!!」
赤星「ブッwwwww」
まほ「ふふふ…」
エリカ「ちょっと待って私がチンパンジーってどう言うことよ!!」
みほ「ん…」指さし
まほ「エリカ、アウトだ…」
エリカ「は?」
みほ「そうやってすぐに怒るのがチンパンジーなんだよ」
エリカ「え、は、ふざけんじゃ無いわよ」
みほ「え?副隊長にそんな口聞いて良いと思ってるの?」
エリカ「上等よ表でなさい」
みほ「雨が降ってるからやだ」
エリカ「」ピキピキ
まほ「エリカ…怖いぞ…」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:33:40.69 ID:skTSx6sM0
赤星「あの…みほさん…」
みほ「なんですか赤星さん?」
赤星「その…中傷的な発言はアウトです…」
みほ「…」
エリカ「だそうよ、早く引きなさい」ピキピキ
箱
みほ「…」
ピラ
【靴下深呼吸】
みほ「なにこれ」
赤星「あれですね、靴下に鼻をつけて深呼吸するやつですよ」
まほ「ちょっと待っててくれ」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/07/21(木) 15:34:22.42 ID:skTSx6sM0
数分後
まほ「みほ…洗濯場から持ってきたお母様の靴下だ…」ハァハァ…
赤星(うわぁ…)
エリカ(隊長笑顔だよ…)
みほ「息切れするくらいなら持ってこないでよ」
まほ「ん」
まほ「罰ゲームだ」
みほ「…」
すぅー…
みほ「……」
みほ「……!?!?!?」
みほ「え゛ん゛っ?!!」
まほ・エリカ「あはははwww」
みほ「や゛っば…!!これやばい゛!!」
みほ「ごっへ゛!お゛え゛ぇ!」
みほ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!」
まほ・エリカ「はっはっはっwww」
みほ「ひゅー…!ひゅー…!」
赤星(西住さん本当に不憫だなぁ…)
みほ「つ゛ぎ…いぎまじょう…」
まほ・エリカ「はっはっはっwww」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[Saga]:2016/07/21(木) 15:35:07.51 ID:skTSx6sM0
【第8ラウンド】
小梅「ハイ!マジカルバナナ!バナナと言ったら甘い!」
まほ「ハイ!甘いと言ったら果物!」
みほ「ハイ!果物と言った゛ら桃゛!」
エリカ「ハイ!桃と言ったら桃太郎!」
赤星「ハイ!桃太郎と言ったら鬼!」
まほ「ハイ!鬼と言ったらお母さん!」
しほ「ハイ!お母さんと言ったら私!」
みほ「ハイ!私と言ったら……え?」
まほ「あ…!」ガタガタガタ
しほ「1年生から隊長達の様子がおかしいとの報告が来て心配して来たのですが…」ニコニコ
しほ「楽しそうね、あなた達」ピキピキ
みほ「」
まほ「」
エリカ「」
赤星(にげよ…)
みほ・まほ・エリカ「…あ…あ…あ…」
みほ・まほ・エリカ「ア゛ーーーッ!!!」
おしまい
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2016/07/21(木) 15:58:57.39 ID:45HovY4iO
わろた
おつ
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2016/07/21(木) 17:38:30.45 ID:J3Y/EaNVO
鬼のお母さん……
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2016/07/21(木) 18:12:07.84 ID:AioD8sxnO
面白かった
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2016/07/21(木) 18:16:10.17 ID:TTYwC/CWO
こりゃ大洗に転校するわ

Entry ⇒ 2016.11.05 | Category ⇒ ガールズ&パンツァー SS | Comments (35) |
まほ「みほが公式試合で私が好きだと言ったらしいのだが・・・」

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 15:52:48.41 ID:qdXsAWWu0
戦車は人の手によって動く機械だ。動かされるものだ。
重厚で高火力な装備をいくら兼ね備えた所で、そこに生命無き以上、轍一つ作れはしない。
戦車は、人間の魂を注いでやる必要がある。
同じように西住流には、西住まほを捧げる必要がある。
私の歩むすべての道が、西住流と言われ続ける。
過去延々と受け継がれてきたこの血によって。
真っ直ぐに、勝利のみを掴みとる。
人間の魂を削り取るように。
色々知識足りないのでご容赦を。みほまほ。百合。たぶん18禁
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1381387968
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 15:58:53.67 ID:qdXsAWWu0
灰色の雲から逃げるようにして、私は家路をたどっていた。
履帯と車輪の織りなす音も、湿気のせいかいつもより大人しい。
それでも、枝に止まる鳥達が我先に逃げていくには十分過ぎる。木々が一際大きく揺れた。
一雨来るのだろう。
癖で、ついきょろきょろと周りを見回してしまう。
練習試合後にキューポラからよく顔を出すようになったのはいつ頃からだっただろうか。
確か、みほと一騎打ちをした時だったか。
180度に満たない視界が憎らしい。360度全て把握できれば、こうも忙しなく首を動かすこともない。
そう言えば、昔みほが言っていたっけ。見えない所はみんながカバーしてくれるから、私はみんなが見えない所を頑張るって。
私は思わず口元が緩み、誰も見ていないのに慌てて手で隠した。
私にとって仲間とは、戦車に搭載されている履帯であり主砲でありエンジンであった。統率することで成り立つもの。
上手く付き合っていかなければ、一つの目的を成すことはできない。錆びたり壊れたりしても改修し、もう一度使えるようにする。
道具を慈しむように仲間を尊ぶ。
少しおかしいのかもしれない。
みほにとっての仲間は、彼女自身から感じられるようなもっと暖かい何か。
それが彼女の戦車道であるように。
彼女の理想の道。それに負けた時、姉として、西住流を受け継いだ者として悔しい気持ちがあった。
けれども、みほの道を真似することなどできない。その道の美しさと強さ、それを理解したからこそ、
西住流が最も離れた位置にあると実感できる。
でも、夢は見ない。私は、現実を見る。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 16:01:47.17 ID:qdXsAWWu0
時折、みほの話を学校でも耳にするようになった。
人の噂には興味などなかったが、それが妹ならば少しは真剣に耳を傾ける。
人生の中で、戦車以外に興味を持ったことなど片手で数えるほどしかない。
知識として吸収し、感情としては捨てていた。あの高校の誰々が、彼氏を作ったとか、誰々の両親が離婚したとか。
誰々が誰々を好きだとか。
みほが私を好きだとか。
ああ、頼むから間違いであって欲しい。
学校から帰ってきたみほに私はまずなんと声をかければよいのだろうか……。
「はあ……」
「まほさん?」
西住の門下生が下から心配そうに声をかけてくる。
「ああ、なんでもない」
冷静になろう。こういう時こそ、冷静に。
戦車から降りれば、嫌でも日常と感情と付き合っていかなければならない。
ならばせめて、ここにいる時くらい冷静であろう。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 16:03:57.12 ID:qdXsAWWu0
門下生を見送ってから、家の門をくぐる頃には7時を回っていた。
「お姉ちゃん」
壁際に寄り添うように立っていた影が揺り動く。
みほだった。
「みほ、久しぶり」
妹は走って来て、私の腰に手を回して抱きしめた。
嬉しそうにこちらを見上げる。
「お姉ちゃん痩せた?」
「少し。みほは少し髪伸びた?」
「うん、ちょっと伸ばしてるんだけど」
「そう……す」
好きな人でもできた、その言葉を危うく口にしてしまう所だった。
「お姉ちゃん?」
「なんでもないよ」
「お姉ちゃんってば帰って来て早々、すぐに練習に行っちゃったって聞いたから。後でたくさんお話できると思ったんだけど……」
「だけど?」
「夜はいつも、お母さんと試合の振り返りとかするかなって……思って」
みほは遠慮がちに言葉尻をすぼめていった。
「ん? みほ、知らなかったのか? 今日、明日は陸軍の士官学校の合宿に行くって話」
「え?」
「だから、今日は私とみほと、あと菊代さんだけ」
「そ、そうなんだ」
みほは軽く2度頷いた。その動揺を受け止めるように、私は少し笑った。
「だから、お互い今日はゆっくりしていこう」
「うん、そうだね」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 16:05:13.97 ID:qdXsAWWu0
生家に戻ってきて、改めてゆっくりするのもおかしな話かもしれない。
ただ、私達姉妹が、きちんと腰を落ち着けて話をする、それを母が嫌うため仕方ないのだ。
西住流に穢れをいれたくないのだと言うのだ。気持ちが分かる、そう言えてしまう私も同罪なのだろう。
母がいない今だからこそ、みほはここに戻ってこれた。それを、あえてみほに言う必要はなかった。
夕食の時は、学校で起きたたわいもない話で笑い合ったり、最近主流の戦車について語り合った。
菊代さんも、水差すと遠慮したのかすぐに引っ込んでしまった。懐かしさと安心感とに包まれてはいたが、内心はひやひやしていた。
「お姉ちゃん、大人っぽくなった。前からそうだったけど、前よりももっとかっこよくなったよね」
みほがことあるごとに、私のことを褒める。その度、軽く受け流すように意識せざる負えなかった。
喉まで出かかっている疑問に対して、一向に一歩を踏み出せないまま、時間だけは過ぎていった。
そして――、一日が終わろうとしていた。
「こんなにお姉ちゃんと喋ったのって初めてだね」
敷布団に丸まりながら、みほが顔だけを出して言った。
「そうだったか……そう言えば、喉が痛いな」
「喋りすぎて?」
「いや、みほに喋らされすぎて」
「えー、ひどいよもー」
みほは頬を少し膨らませた。
「ははッ、じゃあ電気消すぞ」
「う、うん」
カチ――暗闇の中、三つの音が私の耳を支配していた。一つは、みほがもぞもぞと身動きする音。
一つは、時計の長針が横に振れる音。そして、もう一つは私の心臓の音。
(何を、びびってるんだか……)
みほは結局何も言っては来なかった。期待、していたわけではない。
そうならないように疑問を何度も飲み込んだ。二人のために。
私は布団に入って目を閉じる。戦車に入って、まず5秒は目を閉じる。心を鎮める。
それと同じ。目の前にいるのは敵、ではない。妹だ。警戒を解く。そして寝よう。
おやすみ、と言いかけて、
「お姉ちゃん」
と遮られた。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 19:21:36.15 ID:qdXsAWWu0
「どうした? 眠れないのか?」
「うん……たくさんお話したせいかな。目が冴えちゃった」
まだ何か話したいのだろう。みほの口調からうかがえたが、私は早く寝るように促した。
「やっぱり、お姉ちゃん真面目だね」
「みほは、少しやんちゃになったな」
お互いに小さく笑い合う。
「……お姉ちゃん」
と、みほの声が少し低くなったのが分かった。
「ん?」
何事かと彼女の方を向く。背中を向けていた。
「今日は、ありがとう。この家に呼んでくれて」
ぽつりぽつり、とみほは言った。
「……なんのことだ」
「えへへ、やだな……お母さんいない日わざわざ調べてくれたんでしょ?」
「たまたま、菊代さんに聞いて、たまたま帰省しようと思っただけだ」
「……そのたまたまに私を加えてくれたのが凄く嬉しいよ」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 19:51:59.14 ID:qdXsAWWu0
「そうか……」
妹に母のことをどう思っているのか聞いたことはなかった。
聞いたところで、妹ははっきりと感情を出す子ではない。
何か思う所があったとしても、きっとその小さな胸に仕舞い込んでしまうのだろう。
妹と一戦を交える前まではそう思っていた。
今はどうだろう。
試合中のみほはとても凛々しく、みなを引っ張ると聞いている。
今のみほは母の事を納得しているのだろうか。
「私ね、やっぱり家が一番落ち着くんだ……」
「そう……一人暮らしは、大変だろう」
「うん、でも家を出たからこそ分かることあるんだね。離れても、離されてもここに戻ることができるって幸せだなあって思ったよ」
「私もこうやって、みほとまた話すことができるって思ったら離れていても寂しくはないな」
「お母さんもそう思ってくれてたら嬉しいな……」
私は胸が痛くなった。これが娘の母に対する言葉であっていいものだろうか。
この状態をつくりだしてしまっている私自身にも腹が立つ。
みほには自由を手に入れて欲しかった。
けれど、やはり母子という繋がりはいつまでも妹を西住に繋いでしまう。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 20:17:09.33 ID:qdXsAWWu0
「みほ……」
「お母さんのことね……やっぱり今でもよく分からないんだ……分かりたいのにね」
みほの声は震えている。
「血は繋がっているけれど、違う人間だから。考えが分からないのは、仕方がないんだろう……だから、言葉で伝える。あの人はそれができない。不器用なんだ……と思う」
「うん、そうなのかもね……」
「みほ、周りの事はもう気にするな。お前は、お前の道を行きなさい」
冷たい金属の中で、命令ばかり出していればいずれ私もああなるのだろう。
「ふふッ、前から思ってたけど、お姉ちゃんってお父さんみたい」
「……さあ、知らないな」
「お姉ちゃんがそうやって、いつも背中を押してくれるから、私、今こうやって笑って戦車道を続けていられるんだと思う」
「……違うよ。仲間がいたから、そうだろう?」
妹の自由の翼が私だったとしたら。そうだったなら、まだみほは地べたを鶏のように走り回っていたに違いない。
私は鎖にしかなれない。みほのやり方を肯定できないのだから。
「それも大事。でも、一番はお姉ちゃん。お姉ちゃんっていう西住流がやっぱり私の基本で、支えになってるの。今もこれからも、だって私、西住まほの妹だもん」
「なんだそれ……はは」
「えへへ」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 20:35:45.79 ID:qdXsAWWu0
「でも、いつまでも私にとらわれないで欲しい。みほはもう母に抑えつけられ、私の後ろを追いかけていた、小さな女の子じゃなくなったんだ」
「うん、そのつもりだよ」
みほの声は、先ほどとは打って変わってきっぱりとしたものだった。
「これからは、憧れのまほお姉ちゃんじゃなくて、強敵である西住まほ……だよね」
戦車乗りとして、悪くない答えだった。私自身も久しぶりに、胸が高鳴った。
「受けて立つ」
「次も負けないから」
「次か……残念だが次は勝たせてもらう。恨むなよ」
「恨んだりしないよ。自分の未熟さを恨むかもしれないけど、きっともっと頑張れる」
みほの言葉は私を熱くさせる。目頭に温かいものが込み上げてきた。涙だった。泣いたのは、いつぶりだろうか。悲しくて泣いた記憶は本当に小さな頃に数えるほど。
嬉しくて涙が出る、そんなこともあるようだ―――。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 20:51:46.14 ID:qdXsAWWu0
「ゥッ……ッ」
「え? お、お姉ちゃん? 泣いてるの? え、え?」
みほがむくりと起き上がった。さすが、耳がいい。
「あ、いや……こっちを向くな」
「わ……私もしかしてひどいことを? 傷つけ……?」
妹はかなり慌ててた様子で布団を剥いだ。
「何でもない、気にするな。おい、こっちに寄ってくるな」
四つん這いで心配そうな顔をして、みほが私のすぐそばまで来て、頭を垂れる。
「おお、お姉ちゃんを泣かせちゃうなんて……ど、どうしよう」
私の涙はというと、久しぶりに泣いたものだから止め方すらよく分からない。
とめどなく流れている。枯れるまでこのまま、流れるのかと思うと、少し怖い。
妹に泣いている所を見られるのはそれ以上に遺憾ともしがたい状況だが。
「ちょ、ちょっと夜風に当たってくる」
「お姉ちゃん、待って!」
私が立ち上がろうとした瞬間、みほが右腕を引っ張った。右斜め後ろに重心を傾けることになった私は、みほに覆いかぶさるように倒れこんだ。と、2秒ほどで自分の状況を悟り、目を瞑った。
ドサッ―――
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 21:09:29.55 ID:qdXsAWWu0
「ッつ……すまない、みほ。怪我はない?」
みほの顔が正面にあった。どうやら完全にみほを下敷きにしてしまったらしい。
「下、お布団だし大丈夫だよ……」
「良かった……」
「それより、お、お姉ちゃん……手、手が」
「え? 手?」
右手は布団の上、左手は――みほの胸をわし掴んでいた。
「あ、ああすまない。すぐ退ける」
「待って!」
「は?」
みほは、また力任せに私の左手を引っ張った。
「うわッ?!」
「離れないで!」
「そんなこと言われても……重くないのか」
「重くないッ」
「……何を意地になって?」
「泣いてるお姉ちゃんをあやしてあげたいの……ッ」
そう言って、みほは私の背中をぽんぽんと軽く撫でていた。
「おい、赤ん坊じゃないんだ……」
「そうだね……もう、大人だよね……なら」
みほの顔が瞬間視界いっぱいに広がった。ぺろり、とそんな擬音が聞こえた。
「み、みほ今、舌で舐め……わッ」
続けて、頬に啄むように唇を寄せる。ぞくりとして、私は身体をのけ反らせた。
「逃げちゃ……ダメ」
「そ、んな……ッやめ」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 21:30:50.36 ID:qdXsAWWu0
仲間の話していた噂を今さらながらに思い出していた―――。
『公式試合で、お姉さんのことが好きだって公言したって』
あれを鵜呑みにはしていない。ただ、だんだんみほが私を見る目が変ってきたのは分かっていた。
戦車道とは別の件で。でも、それは、シスターコンプレックスいわゆるシスコンの類で、それ以上でも
以下でもないのだと勝手に、憶測を立てていた。
私の涙は、驚きとともに引っ込んでいた。みほはというと、だんだんと大胆な行動に移っていた。
「みほ……ッ、ダメだ……ッン??!」
「チュルッ……お姉ちゃん、おいしぃ……ッチュ」
呼吸ができなくて、何事かと思った。みほが私の唇を自身のそれで塞いできたのだ。
「ゃめッ……みほッ!? そこはッ?!」
顔を背けようとした瞬間、下で耳をなぞられ力が抜けてへなへなと崩れ落ちてしまった。すぐに、みほは次の行動に移っていた。私の上に覆いかぶさるように、自分の身体を反転させた。つまり、私は、みほの下敷きとなった。
じわっと背中に浮き出た汗がべたついた。お互いに呼吸が荒い。みほにいたっては鼻息も多少荒い。
そこはかとなく満足そうにしている。
「気は確かか……?」
「確かじゃないのかも……しれない」
「なら、気は済んだか」
「う、うん。お姉ちゃんが泣くから、つい慰めないとって思って……涙、止まったんだね……良かった」
「びっくりして止まったんだ……それに、あれは嬉しくて泣いてたんだぞ。みほが、頑張れるなんて言うから……」
「そ、そうだったんだ。早とちりしちゃった……えへへ」
「退いてもらえるかな」
案外、力が強い。妹のくせに。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 21:48:24.37 ID:qdXsAWWu0
「うん……」
返事をしつつも、動く気配はない。こちらを艶っぽく見下ろしている。気が付けば、今の取っ組み合いで
私の寝巻のボタンが外れて胸が半分露わになっていた。
「みほ……」
「……お姉ちゃんがすごくエッチな顔と格好して、私の下敷きになってる……」
「言葉にして説明しなくていいから……」
「だって、いつも凛として表情も崩さないし、全国の戦車道の頂点で……そんなお姉ちゃんが乱れてるんだよ?」
「紛らわしい言い方をするな……」
「顔こっち向けて?」
みほが駄々をこねるように、私の頬をなでる。びくりとして、私の背中にしびれが走る。
「ッ……」
「か……かわいいお姉ちゃん……」
もぞりと、下腹部に生暖かい感触。みほの指の腹だった。しっとりと吸い付くような感触で、上に上に移動してくる。
「……ッ何して……んァッ」
胸の突起の部分を急に抓られ、思わず悲鳴をあげる。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 21:58:51.48 ID:qdXsAWWu0
一瞬息が止まるような痛み、追いかけるように下腹部をしめつけるような快感が押し寄せる。
「お姉ちゃんの良いとこスイッチ一つ発見……えへへ」
「ッふ……ッみほ、これ以上は」
「これ以上は……しないよぉ……後はお姉ちゃんに任せる」
「なッ……」
「私がさっきやったことを、もう一度私にしてくれるなら、私は西住みほでいるよ」
「どういうことだ……」
「でも、してくれないなら、私はちゃんと覚悟を決めるよ。ここまでのことをしちゃったからにはね……」
「何を言っているんだ……?」
「私、西住とはきっぱりと縁を切るよ。……実はね、養子に来ないかって言われてるんだ」
そう言って、みほは少し目を細めて笑った。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 22:10:03.01 ID:qdXsAWWu0
「冗談じゃ……ないんだな」
みほがこんな大きな冗談を言えるわけがない。みほはいつだって本気だった。
それを私がしっかりと受け止めてあげたことはあっただろうか。
「うん」
「それを、私に決めさせるのか……」
「恨んでくれて構わないよ」
急に戦車に乗りたくなった。みほが何かあるたび、あの中にいる気持ちが今やっとわかった。
大きな選択に迫られた時、答えを出すのは自分だけだからだ。だから、みほは一人であそこで答えが生まれるのを待っていたのだ。あの冷たい金属が、まるで胎盤のような居心地だったのかもしれない。
母の愛を感じていたのかもしれない。
「仲間の人には伝えてあるのか」
「……うん、全部話してる」
みほは覚悟を決めていた。
「考える時間はくれないのか?」
「うん、ごめんね。お姉ちゃん……でも、きっとお姉ちゃんはすぐに答えてくれると思ったから」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 22:19:20.00 ID:qdXsAWWu0
みほがこうやって、まだ西住に未練を残してくれているのは、思い上がりかもしれないが私がいるからなのだろう。
最後の最後、かけに出た。自分が西住に必要なのかなのではなく、自分は西住を必要なのか。
「ああ、みほ……お前の本当に欲しい答えが分かった」
「そっか……嬉しいな」
「そうそう……公式試合で私が好きだって言ったらしいな」
「あ、うん……ごめんね。つい……」
「私もみほが大好きだよ……」
「うん……ありがとう」
「私が支えになっていたって言ってくれて嬉しかった」
「ううん……」
「泣かないで、みほ」
私は抱きしめることはしなかった。ただただ、流れ落ちるみほの涙を私の頬や鼻や唇で受け止めるだけだった。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 22:29:06.28 ID:qdXsAWWu0
―――その後、何ヵ月か経って、西住みほは、その姓を改めた。
彼女は彼女自身にその身を捧げることを決意したのだ。
私は自分の半身を手放すことになった。
痛みと後悔が残った。
私は、夢を見なかった。ただ、現実を見ようとした。
みほの名をもう一度呼ぶ時。
その時、私は彼女に何を言えばいいだろうか。
あの日、泣きながら帰ったあの子に、もう一度かける言葉は―――。
終わり
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2013/10/10(木) 22:29:49.21 ID:qdXsAWWu0
こんな短いのに付き合って頂いて、ありがとうございます。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/10/10(木) 23:37:28.48 ID:dHUhDEUZ0
乙でした。みほまほの中でも特にシリアスで面白かった。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/10/11(金) 06:21:54.77 ID:QG8TyNV30
本番はないのか…

Entry ⇒ 2014.07.20 | Category ⇒ ガールズ&パンツァー SS | Comments (1) |
エリカ「隊長の…上着…?」

1 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 11:06:23.61 ID:zOnH6XeKo
~黒森峰~
エリカ「2時方向敵戦車!射撃準備!」
砲手「照準よし!」
エリカ「撃て!」
BRUM! DOOMM!
砲手「やった!」
エリカ「まずい!回り込まれた!8時方向旋回急いで!」
操縦手「ダメだ、間に合いません!」
BAGOOOOMM!!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1387073183
2 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 11:06:53.22 ID:zOnH6XeKo
砲手「いたた…やられちゃいましたね」
エリカ「『やられちゃいましたね』じゃないわよ」
装填手「あーあ、これで3連敗…」
『戦闘終了、集合して整列してください』
装填手「また隊長に怒られる」
エリカ「うるさいわね、次よ次」
装填手「勝てる気しないよ…」
3 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 11:07:22.63 ID:zOnH6XeKo
~格納庫~
まほ「……また私の勝ちだな」
エリカ「は、はい、申し訳ありません…」ショボン
まほ「戦力を集中させ過ぎたな、後ろががら空きだったぞ」
エリカ「前回の反省を活かそうと思ったんですが…」
まほ「前回は分散させて各個撃破されたろう、やることが極端だ」
エリカ「気をつけます……」
まほ「まったく……勝ってもらわないと困るんだがな」
エリカ「隊長が強すぎるんですよ」ボソ
まほ「何か言ったか?」
エリカ「い、いえ、なんでも」
4 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 11:07:58.90 ID:zOnH6XeKo
まほ「まあいい、次はいつになるか分からないが気をつけるように」
エリカ「はい!」
生徒「隊長、少しよろしいですか?」
まほ「どうした、やっぱりダメか?」
生徒「はい、修理しようにも専門的な知識がないもので…」
エリカ「どうかしたんですか?」
まほ「いや、さっきから無線機の調子が悪くてな、整備班は帰ってしまったし」
エリカ「よければ私が見てみましょうか?どこが悪いかくらいは分かると思います」
まほ「すまない、頼めるか?私はこれから用があるんだ」
エリカ「喜んで」
生徒「ごめんなさい、お願いね副隊長」
5 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 11:08:34.83 ID:zOnH6XeKo
エリカ「隊長はどちらへ?」
まほ「1年の車長を集めて課外授業だ」
エリカ「あー…毎度大変ですね」
まほ「他の者に任せても良いんだが、自分でやらないとどうも不安でな」
エリカ「あはは、隊長らしいです」
まほ「笑い事じゃないぞ、来年はお前の役目になるんだ」
エリカ「わ、わかってますよ」
まほ「じゃあ、私は行くから頼んだぞ」
エリカ「はい、任せてください」
エリカ「さ、これくらい隊長の役に立たないとね…」
6 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 11:09:36.38 ID:zOnH6XeKo
~教室~
まほ「よし、そろそろ始めるぞ、前回まではソ連戦車についてだったが今回からアメリカだ」
まほ「サンダースが所有するM4中戦車のバリエーションをざっと解説していく、装甲厚、主砲の貫徹力くらいは頭に叩き込んでおけ」
「シャーマンかぁ…」 「どれも似たようなもんで分かりづらいよね」
まほ「確かに一目で見分けがつくような車両じゃないが、それでも特徴はある、ではまず主力のM4から……」
――――――――――――――――
エリカ「Es braust ein Ruf wie Donnerhall♪wie Schwertgeklirr und Wogenprall♪」
エリカ「ん~…やっぱり電源装置かしら、結構厄介ね…」
エリカ「Zum Rhein, zum Rhein, zum deutschen Rhein♪」
7 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 11:10:29.96 ID:zOnH6XeKo
まほ「次にM4A3E8、通称イージーエイト、所謂最終型だが……」
生徒A「ねぇ、なんで隊長制服着てないのかな」ヒソヒソ
生徒B「暑いからでしょ」
生徒A「昨日は着てたよ、私たちも着てるし」
生徒B「昨日は寒かったんでしょ、知らないわよそんなの、話聞かないと怒られるよ」
まほ「おい、そこの二人聞いてるのか?」
生徒A「は、はい!」
まほ「そうか、シャーマンジャンボの車体正面装甲厚は?」
生徒A「え、えと…152mmです」
まほ「……明日は砲撃練習の標的車両に乗せてやる、光栄に思え」
生徒A「げっ…」
生徒B「だから言ったでしょうが」
まほ「今日はここまでにしておこう、各自復習を忘れないように、では解散!」
「うあー、疲れた…」 「練習の後のこれはきついね」
まほ(さて、私も帰るか、エリカのほうも気になるな)
8 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 11:12:01.21 ID:zOnH6XeKo
エリカ「よし、こんなものね、まるごと取り替えれば何とかなりそう」
エリカ(あとは隊長に報告して…さっさと帰ろ)
エリカ(ん…?)
エリカ(この制服…誰のかしら)ヒョイ
エリカ(…そういえば、さっき隊長は上着着てなかったわね、練習前は着てたのに…)
エリカ(ということは、これは……)
エリカ「隊長の…上着…?」
9 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 11:13:44.87 ID:zOnH6XeKo
エリカ「……」
エリカ(いやいやいやいや、なに考えてるのよ私は!)
エリカ(隊長のだからなんなのよ、届けて終わりじゃない)
エリカ(そうよ、何も邪なことなんか…)
エリカ「……」ジー
エリカ「ちょ、ちょっとだけなら…」ソー
エリカ「んっ…隊長の…匂い…」クンクン
10 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 11:14:36.10 ID:zOnH6XeKo
~格納庫~
まほ(まさか、制服を忘れてることに今まで気づかなかったとは…)
まほ(ちょっと疲れてるのかな)
まほ(まあいい、エリカもそろそろ作業が終わってるだろうし)
まほ「よ…っと」
まほ「エリカ、無線機はどうなって―――」ガコン
エリカ「ハァ…ハァ…んんぅ!たい…ちょお……スー…ハー…」
まほ「……!?」
11 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 11:15:54.04 ID:zOnH6XeKo
まほ「なっ…え…?」
まほ(あ、あれは私の制服か…?)
まほ(というか、こっちに気づいてない…?)
まほ「お、おい、エリカ…?」
エリカ「隊長…いい、匂い…んぁ!」ビクンッ
まほ(こ、これは一体…)
まほ「ゴホンッ……エリカ!!」
エリカ「へぇぁっ!?た、隊長!?え、あ…?なんで?あ、あれ…?」
12 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 11:16:44.11 ID:zOnH6XeKo
まほ「なんでじゃないだろう、様子を見にきたんだ」
エリカ「え、えとえとあのこれはそのなんというか」
まほ「落ち着け」
エリカ「は、はははい」
まほ「まずそれを返せ、私のだろう?」
エリカ「で、でも洗ってからのほうが」
まほ「洗わなければいけないような事をしたのか?とにかく渡せ」
エリカ「はい」サッ
13 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 11:17:23.31 ID:zOnH6XeKo
まほ「それから、その……なんだ、年頃だし、気持ちは分かる」
エリカ「……」
まほ「この件に関しては忘れてやる、次からは自宅で…えっと……するように」
エリカ「……」
まほ「…わかったな?」
エリカ「」コクコク
エリカ(ダメだ…完全に軽蔑された……)
まほ「それから、無線機はどうだ?」
エリカ「そ、そうでした、ノイズを除去する機能に異常があったみたいで…」
まほ「わかった、ご苦労だったな、帰っていいぞ」
エリカ「し、失礼します」フラフラ
16 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:23:52.54 ID:zOnH6XeKo
~帰り道~
まほ「はぁ…とんでもないものを見たな…HEATで頭を吹き飛ばされた気分だ」
まほ「忘れてやるとは言ったが…とても無理だ、明日からどう接したら…」
まほ(まてよ…そういえば、エリカはあのとき『隊長』と言ってたな…)
まほ(おそらく……私のことか?)
まほ(そして、私の制服であのような行為に及ぶということは……)
まほ(まさか……いや、同性だぞ?ありえないだろう、そんなこと…)
まほ「私もあいつのことは嫌いじゃないし、最近は頼れるようになってきてるが……」
まほ(一人で考えてもまとまらないな、誰かに相談するのが一番か…)
17 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:24:24.30 ID:zOnH6XeKo
~翌日~
生徒「おはようございます」
エリカ「ええ、おはよう…」
エリカ(ああ、どんな顔して会えばいいのよ…)
小梅「副隊長、元気ありませんね」
ヤクパン車長「隊長に負けすぎたショックかな?」
Ⅲ号車長「そういえば隊長は?」
マウス車長「用があってアンツィオに行ってるそうだ」
18 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:25:10.74 ID:zOnH6XeKo
~アンツィオ高校~
まほ「…というわけだ」
アンチョビ「そういうことなら任せなさい、イタリア式恋愛術でどんな奴も一発で落とせるわ」
まほ「いや、落とすとかそういうことじゃなくてな」
アンチョビ「まずスポーツカーが必要ね、色は赤かオレンジがベストよ、最悪でも暖色がいいわ」
まほ「話聞いてたか?」
アンチョビ「あんたのとこ金持ちだから大丈夫でしょ?ファッションは渋めにキメてサングラスも…」
まほ「違うと言ってるだろ」
アンチョビ「じゃあどういうのが良いの」
まほ「だから…自分に好意を持ってる後輩にどう接するべきかだ」
アンチョビ「そんなの知らないわよ……」
19 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:26:04.86 ID:zOnH6XeKo
アンチョビ「付き合ってみればいいんじゃない?」
まほ「そんな乱暴な……同性だぞ?おかしいとは思わないのか」
アンチョビ「物は試しでしょ、ダメならダメで…」
まほ「……もっと親身になって考えてくれないかな」
アンチョビ「正直メンドクサイ…」
まほ「そうか、では先日の資金援助の話はなかったことに…」ガタッ
アンチョビ「ちょ、ちょっと待って!カルパッチョ!ピザ持ってきてピザ!」
カルパッチョ「はいただいま!」
アンチョビ「うちのピザ美味しいわよ!だからもう少しここにいない?ね?」
まほ「仕方ないな」
20 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:27:12.97 ID:zOnH6XeKo
カルパッチョ「お待たせしました」コトン
アンチョビ「だいたい真面目すぎるのよ、女同士なんて女子高じゃよくあるわ」モグモグ
まほ「…そんなものか」
カルパッチョ「そうですよ、気にする事ないと思いますよ、ね、ドゥーチェ♪」ギュッ
アンチョビ「こ、こら、客の前だ///」
まほ「えっ」
カルパッチョ「いいじゃないですか少しくらい、最近ご無沙汰ですし///」
アンチョビ「まったくもう…少しだけだぞ」チュ
まほ「えっ」
まほ(なんてことだ…私がおかしいのか?いや、そんなはずは……)
21 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:27:44.69 ID:zOnH6XeKo
まほ「……結局、あまり有益な情報は得られなかったな、ピザは美味しかったけど」
まほ(他に相談できる相手か……プラウダは副隊長が危なそうだな…)
まほ(じゃあサンダース……いや、色々オープン過ぎて参考にはならないか)
まほ(仕方ない、あまり頼りたくはないが…)
22 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:28:36.68 ID:zOnH6XeKo
Prrrrrr
みほ「あ、お姉ちゃんからだ」カチ
まほ『みほか?突然すまないな』
みほ「ううん、どうしたの?」
まほ『いやその、相談があってな…』
みほ「悩みでもあるの?」
まほ『ああ……恋愛の相談だ』
みほ「えぇ!?」ガタッ
沙織「うわ!びっくりした!」
みほ「お、お姉ちゃん好きな人できたの?」
まほ『そうじゃない、いや、そうなのかな……ちょっと複雑で』
沙織「なんか興味深い話だね…ふふふ」
華「沙織さんには関係ないでしょう?」
まほ『急な話だが明日会えないかな、私がそちらに行こう』
みほ「うん、構わないよ」
まほ『ありがとう』
23 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:30:50.06 ID:zOnH6XeKo
~翌日~
小梅「あれ?今日も隊長いないんですか?」
マウス車長「今日は大洗に行ってるらしい」
ヤクパン車長「忙しそうだね、練習試合でも組むのかな」
パンター車長「副隊長があんな状態じゃ試合にならないと思うけど…」
エリカ「隊長が2日も不在……これはもう副隊長解任か戦車を降りることになるか…」ブツブツ
ヤクパン車長「あれじゃ試合どころか練習もまともにできないよ」
マウス車長「何があったんだ?」
小梅「それが全然わからないんです」
24 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:32:23.90 ID:zOnH6XeKo
~大洗女子学園~
沙織「お姉さん遅いね」
みほ「もうすぐだと思うんだけど…」
優花里「道に迷っているのでしょうか」
麻子「地図は読めるだろ」
華「隊長さんですからね」
VRROOOOOOMM!!
沙織「な、なに!?」
麻子「車だ」
ツチヤ「すげー!カマロだ!」
ナカジマ「この艦じゃ珍しいね、誰のだろ?」
ホシノ「黄色か…いいね」
25 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:33:28.41 ID:zOnH6XeKo
QUiiiiii!!
ガチャッ
まほ(きまった…)パタン
沙織「だ、誰!?あのサングラスのイケメン!」
麻子「こっちにくるぞ」
沙織「やだ!声かけられたらどうしよー!」
華「いえ、あれは…」
みほ「久しぶりだね、お姉ちゃん!」
沙織「えっ」
まほ「ああ、久しぶり、みほ」
26 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:34:32.78 ID:zOnH6XeKo
沙織「騙された…」
麻子「勝手に勘違いしただけだろ」
みほ「あの車どうしたの?」
まほ「いや、貧乏な友人にそそのかされたというか…やっぱり変だったか」
沙織「いえ!すっごくかっこいいですよ!」
まほ「そうか?ありがとう」
沙織(おお、笑顔がまぶしい…)
みほ「とりあえず校舎いこっか」
27 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:35:39.48 ID:zOnH6XeKo
みほ「それで……どんな人なの?」
優花里「お茶をどうぞ!」コトッ
まほ「ありがとう、その前に聞いておきたい」
みほ「なにかな?」
まほ「……同性愛についてどう思う?」
みほ「ふぇ!?え、えっと…」
まほ「やっぱりおかしいか?」
みほ「ううん!ぜんぜん!だって…その…私も…」チラ
優花里「え、エヘヘ…///」
みほ「あはは……///」
まほ「ま、まさか…」
優花里「ば、バレちゃいましたね…///」
みほ「う、うん…秘密にしててごめんねお姉ちゃん」
まほ「Mein gott…」
28 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:36:12.55 ID:zOnH6XeKo
みほ「や、やっぱりお互いの気持ちが大事だよ!」
優花里「そうです!愛さえあれば!」
まほ「愛か…ハハハ」
優花里「だ、大丈夫ですか?」
まほ(お母様、西住の家系はここで途絶えるかもしれません)
29 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:36:44.66 ID:zOnH6XeKo
まほ(なんてことだ…)フラフラ
沙織「大丈夫かな?みぽりんになに言われたんだろ」
華「意外ときつく言われたのかもしれませんね…」
まほ(歪んでるぞこの世界は…男女の恋愛こそがあるべき姿じゃないのか…?)
まほ(時代が変わったのか?戦車にばかり乗っていて時代に乗り遅れたのか…?)
まほ「…そうだ、まだグロリアーナがいた、彼女なら…」
30 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 17:37:23.30 ID:zOnH6XeKo
桂利奈「すっごーい!バンブルビーだ!」
ナカジマ「特に中はいじってないみたいだね」
ホシノ「あんまり面白くないなぁ」
スズキ「あ、オーナーさん戻ってきたよ」
まほ「……」
ツチヤ(なんだこの威圧感)
まほ「退け」
桂利奈「あ、あい!」サササ
バタン VRRRRRR……
ナカジマ「行っちゃった」
桂利奈「もうちょっと見たかったのに…」
33 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 19:57:39.33 ID:zOnH6XeKo
~聖グロリアーナ~
まほ「…というわけだ」
ダージリン「なるほど……」
まほ「やっぱりおかしいと思うか?」
ダージリン「いいえ」
まほ「な…」
ダージリン「こんな言葉をご存知かしら、『恋愛的な友情は恋愛よりも美しい、だがいっそう有毒だ』」
まほ「……は?」
ダージリン「決して認められることはないけれど…私はおかしいとは思わないわ」
まほ「……そうかな」
ダージリン「障害の多い恋こそ燃え上がると言うでしょう?」
ダージリン「それにあなたは体裁を気にして真剣に向き合おうとしていないのではないかしら」
まほ「…!」
まほ「そんなことはない!私は…!」
34 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 19:59:31.17 ID:zOnH6XeKo
ダージリン「では、相手のことをどう思ってるの?」
まほ「はぁ…正直、よくわからない」
ダージリン「自分の気持ちを知ることが先みたいね」
ダージリン「相手の好意に気づいてあなたはどう思ったのかしら」
まほ「一緒に戦った仲だ…驚いたが、悪い気はしない」
ダージリン「では…好き?」
まほ「好きか嫌いかで言えば……そうだな、好きだ」
ダージリン「そう」
まほ「……妙な気分だ」
ダージリン「もう大丈夫そうね」
まほ「何が」
ダージリン「私が言えることはそれだけよ」
まほ「……」
オレンジペコ「あ、あの、紅茶飲みますか?」
まほ「ありがとう」
35 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:00:30.50 ID:zOnH6XeKo
~黒森峰 格納庫~
まほ(夕日が綺麗だな…)
まほ(くそ、なんで私がこんなに悩まなければならないんだ、悪いのはエリカだぞ)
小梅「あれ?帰ってたんですか隊長」
まほ「赤星か、たった今な」
小梅「わ、なんですこの車…?」
まほ「色々わけがあってな」
まほ「お前はなにしてる?」
小梅「ちょっと戦車に忘れ物をしてしまいまして…今取ってきたところです」
まほ「…そうか、車内に異常がなくて何よりだ」
小梅「…?」
36 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:01:18.18 ID:zOnH6XeKo
小梅「そうだ、コーヒー飲みませんか?さっきダ○ドーの自販機で当たったんです」
まほ「…いいな、もらおうか」
小梅「どうぞ」
まほ「赤星、ついでと言ってはなんだが、ちょっと相談に乗ってもらえないか?」パコッ
小梅「構いませんよ、私でよければ」ゴクゴク
まほ「同性愛ってどう思う?」
小梅「!?」
37 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:02:51.39 ID:zOnH6XeKo
小梅「ケホッケホッ…い、いきなりなんて事言うんです、むせちゃったじゃないですか」
まほ「すまない、そんなつもりでは…」
小梅「隊長、もしかしてそっちの気が…?」
まほ「違う、友人が…」
小梅「まさか相手は副隊長とか」
まほ「な、なんでそこでエリカが出てくるんだ、違うと言ってるだろ」
小梅「だっていつもべったりですし…」
まほ「そう…か?」
小梅「そうですよ、二人並んで歩く姿は恋人同士に見えなくも…」
まほ「なっ…!恋人…」
38 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:04:03.20 ID:zOnH6XeKo
小梅「顔赤いですよ?」
まほ「あ、赤くない」ゴクゴク
まほ「でも…言われてみればそうだな…大抵は一緒に…」
小梅「色々二人きりでご指導とかされてましたよね」
まほ「ああ…教えることは山ほどあるからな……」
小梅「そのあたりで愛が芽生えたとか」
まほ「違う!」
まほ「と、ともかく相談に乗ってくれてありがとう、コーヒーも」
まほ「それとこの話はくれぐれも内密に、わかったな?」
小梅「は、はい、では私はこれで…」
まほ(いつもべったり…か)
まほ(なんなんだ?さっきから、妙な気分だ)
まほ(……どのみち、答えは出すべきだな)
39 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:04:58.42 ID:zOnH6XeKo
~翌日~
エリカ(今日は結局一言も交わせなかった…このままでは練習に支障も…)
小梅「あ、副隊長、隊長から伝言です『私のところにくるように』と」
エリカ「んなっ…そ、それ本当?」
小梅「はい」ニヨニヨ
エリカ「なんで嬉しそうなのよ…」
小梅「なんででしょう、確かに伝えましたからね」
エリカ「わ、わかったわ」
エリカ(ついにこの時が……)
40 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:06:10.39 ID:zOnH6XeKo
~隊長室~
まほ(遅いな…)
コツコツ
まほ「ん、入れ」
カチャッ バタン
エリカ「逸見エリカ!出頭しました!」カンッ
まほ「来たか、そんなに固くならなくてもいいぞ」ガタッ
エリカ「は、はあ…しかし」
まほ「さて…先日の件だが」ツカツカ
エリカ(う…やっぱり…)
まほ「聞きたいことがある」
エリカ「なんでしょうか」
41 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:07:15.98 ID:zOnH6XeKo
まほ「その…私の制服であんな行為に及ぶということは、『そういうこと』でいいんだな?」
エリカ「……?」
まほ「察しが悪いな、お前が私をどう思っているかだ」
エリカ「つまりそれは…」
まほ「本心を聞きたい」
エリカ(この際、言ってしまったほうが…)
エリカ「……はい、私は隊長のことが好きです、それも、友人としてではありません」
まほ「そうか…」
エリカ「どのような処罰も受け入れます」
まほ「いや、そこまで大げさな問題じゃない」
42 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:10:29.48 ID:zOnH6XeKo
まほ「返事をしなければいけないな、私自身、はっきりしないが…」
エリカ「……?」
まほ「私も…私もエリカのことが……好きだ」
エリカ「…え?」
まほ「こんなこと何度も言わせるな、色々悩んだ結果だ」
エリカ「あ…う…嘘…ですよね?そんなはず…」
まほ「こんな嘘を言ってどうする」
エリカ「だって、私は隊長にご迷惑をかけてばかりで…今回も…」
まほ「迷惑とは思ってない、驚いたがな」
エリカ「決勝でも私は!」
まほ「まだ気にしてるのか?何度も言っただろう、お前に非はない」
43 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:13:50.04 ID:zOnH6XeKo
エリカ「でも……」
まほ「あの時は私がこだわり過ぎたんだ、それだけだ」
まほ「……隊長失格かな?」
エリカ「そんなことありません!誰も…そんなこと思ってませんよ」
まほ「…ありがとう」ガシッ
エリカ「あっ…たいちょ…」
まほ「これでも信じてくれないか?」ギュッ
エリカ「グスッ…嬉しいです、隊長…私…エグッ…嫌われたのかと……」
まほ「嫌ってなんかいない、安心しろ」ナデナデ
エリカ「よかった…本当に…グスン」
44 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:16:17.60 ID:zOnH6XeKo
まほ「…落ち着いたか?」
エリカ「…はい」
まほ「じゃあ、もうひとつ聞く」
エリカ「…なんでしょうか」
まほ「こんな戦車バカの何が気に入った?」
エリカ「その…誰にでも公平で、公正というか…それで、自分にも他人にも厳しくて」
エリカ「時折見せてくれる優しい笑顔が素敵で…最初は憧れてただけなのに……いつの間にか」
まほ「そうか、いざ聞くと照れくさいな…」
エリカ「隊長は、私の何処が…?人の制服であんなことするような奴なのに…」
まほ「ずっと隣で戦ってくれただろう」
エリカ「え…」
45 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:22:57.26 ID:zOnH6XeKo
まほ「エリカは副隊長になってからずっと、私の側にいてくれた」
まほ「いきなりの任命で色々と苦労をかけてしまったが…文句のひとつも言わずについて来てくれた」
まほ「そんな生真面目な友人と、これからも共に歩む……それも良いなって…そう思ったんだ」
エリカ「…ありがとうございます」
まほ「もっとも、人に言われてようやく気づいたんだがな…」
エリカ「それでも嬉しいです、隊長にそこまで言ってもらえるなんて…」グスン
まほ「正直、まだ半信半疑なんだ、だからお互いのことをもっと知るべきだと思う」
エリカ「…どういう意味ですか?」
まほ「……」
チュウ
エリカ「んむっ!?」
まほ「ん…レロ…」グイッ
46 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:24:19.43 ID:zOnH6XeKo
エリカ「んぐぅ!」(し、舌が…)
まほ「んむ…ふふ…」
エリカ「…っ!ハァ…ハァ…」
まほ「……どうだった?」
エリカ「ひどいですよ!こんないきなり!」
まほ「す、すまない、こういう事には慣れてなくて……嫌だったか?」
エリカ「嫌なんかじゃ、ないですけど…初めてだったんですからね!」
まほ「ふふ、それは私も同じだ」
エリカ「ぁう…///」
まほ「さ、そろそろ帰ろう」
47 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:28:51.33 ID:zOnH6XeKo
ヤクパン車長「あー…1日に4回履帯が外れるとは…記録更新だね」
ヤクパン車長(あの戦車絶対呪われてるよ…おかげで遅くなっちゃった)
ヤクパン車長(ん?あれは…隊長と副隊長?)
エリカ「あ、あの…」
まほ「どうした?」
エリカ「……手をつないで頂いても?」
まほ「そんなことか」ギュ
エリカ「ありがとうございます、えへへ…///」ギュー
ヤクパン車長(あ、あれは…俗に言う恋人つなぎ…?)
ヤクパン車長(なんか怪しい雰囲気…副隊長やけにデレデレしてるし…)
48 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:30:31.82 ID:zOnH6XeKo
~寮~
まほ「もう着いたか、今日はこれで…」
エリカ「隊長」
まほ「ん?」
エリカ「今日は…私の部屋に泊まっていきませんか?」
まほ「……」
エリカ「ダ、ダメですよね?すみません、いきなりこんな…」
まほ「いや、どうせ予定もないからな、お邪魔するよ」
まほ「それに、恋人同士だろう?」ニコ
エリカ「は、はい…///」
49 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:31:36.08 ID:zOnH6XeKo
ヤクパン車長「あ、もしもし小梅ちゃん?い、今隊長と副隊長が…」
小梅『何かあったんですか?』
ヤクパン車長「い、いやね、帰り道で手をつないでたかと思えば、そのまま副隊長の部屋に…」
小梅『あら~…』(やっぱり…)
ヤクパン車長「これってやっぱりそういうことだよね!?」
小梅『だ、断定はできませんよ?とりあえず私も今からそっちに行きます』
ヤクパン車長「うん、それじゃあ…」
Ⅲ号車長「あれ?なにやってんのアンタ」
ヤクパン車長「あ、ヒャッハーメガネ」
Ⅲ号車長「変な呼び方やめてくれる?」
50 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:32:42.97 ID:zOnH6XeKo
エリカ「ど、どうぞ」カチャ
まほ「…中々綺麗にしてあるじゃないか」
エリカ「普段はもう少し散らかってますけどね、今日はたまたま…どうぞ、座ってください」
まほ「ああ、失礼する」
まほ「それで、どうする?夕食でも作るか?」
エリカ「わ、私、シャワーを浴びてもいいでしょうか?えっと、練習が終わった後だと気持ち悪くて…」
まほ「それは構わないが…」
エリカ「で、では行ってきますね!隊長は適当にくつろいでて結構ですから!」バタバタ
まほ「慌てなくてもいいぞ」
51 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:33:40.57 ID:zOnH6XeKo
小梅「お待たせしました…お二人は?」
ヤクパン車長「まだ出てこないよ…」
Ⅲ号車長「これはちょっとしたスキャンダルね…」
ヤクパン車長「副隊長が隊長のこと好きなのは皆わかりきってたことだけどさ」
Ⅲ号車長「両想いだったとは…」
小梅「まだ決まったわけじゃ…」
ヤクパン車長「だって恋人つなぎだよ?いつもよりベタベタしてたし…」
52 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:34:40.16 ID:zOnH6XeKo
まほ(割と殺風景な部屋だな…人のことは言えないけど)
まほ(このやけにごついパソコンは何に使うんだ?)
まほ(これは教本か、しっかり勉強してるな、感心感心…真面目な奴なんだ、基本的には)
まほ(他にも色々本が……ドイツ軍ばっかりだな、クルト・マイヤーにカリウス…)
まほ(映画も見るのか、『鷲は舞い降りた』『戦争のはらわた』『スターリングラード』……こっちもか)
まほ(『撃墜王アフリカの星』…これモノクロだぞ?)
53 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:35:23.27 ID:zOnH6XeKo
まほ(くつろぐと言ってもやることがないな)
バタッ
まほ「ん、終わったか?」
エリカ「は、はい、お待たせしました」
まほ「っ…!」
エリカ「どうしました?」
まほ「いや、随分…薄着だな」
エリカ「いつもこんなですが…」
まほ「そうか、別に変な意味じゃないんだ、気にしないでくれ」
まほ(肌、綺麗だな…今まで意識したことが無かったが…)
エリカ「み、見すぎですよ隊長」
まほ「すまない、つい…///」
まほ(話を変えないと…)
エリカ(隊長……)ゴクッ
54 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:36:43.46 ID:zOnH6XeKo
まほ「そうだ、さっき勝手に物色させてもらったが…これだ、この本――」
ギュッ
まほ「お、おい、どうした?急に…」
エリカ「すみません…」
ガバッ
まほ「うあっ!」ドサッ
エリカ「隊長…」
まほ「よ、よせエリカ!おい!せめてシャワーくらい…」
エリカ「はぁぁ…///隊長の匂い…汗と混じって…すっごい…///」
まほ「この物好きめ…!」
55 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:38:11.87 ID:zOnH6XeKo
エリカ「ハァ…ハァ…もう我慢できないんです、いいですよね?恋人同士なんですから…」
まほ「がっつき過ぎだ!順序というものが…」
エリカ「えへへ…焦ってる隊長、かわいいです…」ギュ
まほ(聞いてないな…こうしてやる…!)グイッ
エリカ「ひゃ!」ボフ
まほ「まったく…」
エリカ「い、今何を…」
まほ「年上相手にあまり好き放題するものじゃないぞ…」ギロ
エリカ「す、すみませ……んん!?」
まほ「んむっ……ジュル…」
エリカ「んぁ…チュパッ…」(隊長と…ディープキス…さいこう…///)
56 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:39:17.52 ID:zOnH6XeKo
エリカ「ふぁ…///」
まほ「大丈夫か?そんな声出して…」
エリカ「もっと…もっとシてください、たいちょぉ…///」
まほ「こんなときくらい名前で呼んでくれるか?」
エリカ「う……えと…ま、まほ…さん…///」
まほ「そのほうがいい、ほら」
エリカ「んんぅ!」(あたまがぼーっとして…きもちいぃ…///)
57 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:39:54.15 ID:zOnH6XeKo
Ⅲ号車長「あ、電気消えた」
ヤクパン車長「あちゃー…」
小梅「お、お楽しみ中なのかな」
ヤクパン車長「お楽しみとか言わないでよ」
Ⅲ号車長「どっちがタチだと思う?」
小梅「やっぱり隊長かな…」
Ⅲ号車長「意外とわかんないわよ?」
ヤクパン車長「タチとかネコとかいいから!」
58 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:40:22.19 ID:zOnH6XeKo
ヤクパン車長「と、とにかく…私たちがここにいても得られるものは…」
小梅「そ、そうですね、解散しましょうか」
Ⅲ号車長「なにか食べて帰る?」
ヤクパン車長「あ、いいね」
小梅「こんな時間ですし、お腹すきましたね」
Ⅲ号車長「アンタ奢りなさいよ」
ヤクパン車長「なんで!」
Ⅲ号車長「ここまで付き合ってあげたでしょ」
ヤクパン車長「だれも頼んでないよ!」
小梅「私は電話で呼ばれましたし…」
ヤクパン車長「うぐぐ…」
Ⅲ号車長「決まりね」
59 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:41:37.00 ID:zOnH6XeKo
~翌朝~
エリカ「ん…」ノソノソ
まほ「やっと起きたか?今朝食を作ってるから少し待っていろ」
エリカ「あ、何か手伝いますよ!」
まほ「色々あって疲れただろう、しばらく休んでおけ、それと、シャワー借りたぞ」
エリカ「はい…では、お言葉に甘えて…」
エリカ(なんか…夢みたい……昨日はすごかったわね…///)
エリカ(やっぱり西住流は夜も…いや、なに考えてるのかしら)
まほ「Ob's sturmt oder schneit,Ob die Sonne uns lacht~♪」ジュー
60 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:42:40.19 ID:zOnH6XeKo
まほ「さ、食べろ」
エリカ「いただきます…」モグモグ
エリカ「ん…美味しいです!とっても…」
まほ「そうか?誰が作っても同じだろう、こんなもの」
エリカ「いえ、私ではこうもいかないと思います」
まほ「…少しは練習したほうがいいぞ」
エリカ「…隊長の手料理食べるからいいです」
まほ「名前」
エリカ「あ…すみません、まほさん…」
まほ「昨日はあれだけ呼んでくれたのに」
エリカ「うぁ…言わないでくださいよ///」
まほ「まぁ、外では今までどおりでいいが…二人きりのときは…な?」
エリカ「はい、まほ…さん」
61 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:43:39.36 ID:zOnH6XeKo
エリカ「ご馳走様でした」
まほ「……エリカ、パソコンが趣味なのか?」
エリカ「え?ええ、まぁ…インターネットとか…」
まほ「私はああいうのはどうも苦手で…色々便利そうで、使ってみたくはあるんだが」
エリカ「簡単ですよ、よければ今度説明します」
まほ「助かる」
エリカ「まほさんは、なにか戦車以外にご趣味は?」
まほ「チェス…とか?」
エリカ「おぉ…渋いですね」
まほ「うるさいな……相手がいなくて困ってたところだ、付き合ってもらうぞ」
エリカ「頑張ります…」
62 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:44:45.92 ID:zOnH6XeKo
まほ「そろそろ行こう、準備できたか?」
エリカ「はい、いつでも」
まほ「待てよ…二人で行くと怪しまれるな…」
エリカ「え…」ショボン
まほ「あ、そ、そんな顔するな、悪かった、一緒に行こう」
エリカ「はい!」パァァ
63 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:45:39.96 ID:zOnH6XeKo
~格納庫~
マウス車長「あぁっ、クソ!またエンジンがイカれたぞ!」
マウス砲手「なんでドイツ軍はこんな戦車作ったんですかね…」
マウス車長「伍長閣下とポルシェに聞いてくれ、私が知るか」
マウス車長「もうすぐ隊長が来るぞ、さっさと修理しないと…」
マウス砲手「そういえば車長、聞きましたか?隊長と副隊長のこと」
マウス車長「ん?ああ、もうチーム全体に広まってるぞ」
マウス車長「まさか隊長まであっち側の人間だとは…」
マウス砲手「意外ですよね…」
64 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:46:23.43 ID:zOnH6XeKo
マウス車長「お、噂をすれば…夫婦揃ってご出勤だ」
マウス砲手「心なしかいつもより仲よさそうですね」
マウス車長「ちょっとからかってくる」
マウス砲手「殺されても知りませんよ」
マウス車長「滅多に無いチャンスだぞ」
マウス砲手「そりゃそうですけど…」
65 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:47:10.60 ID:zOnH6XeKo
マウス車長「おはようございます、お二人とも」
まほ「ああ、おはよう」
マウス車長「噂は聞いてますよ、どうやらうちの隊長は敵だけじゃなく味方を仕留めるのも上手いようだ」
まほ「……どういう意味だ?」
マウス車長「昨晩はどうだった?副隊長」
エリカ「えっ?」
まほ「待て、何故そんなことを聞く?」
マウス車長「いやぁ、朝までお楽しみだったとか…お盛んですね」
まほ「なっ…!どこで聞いた!?」
マウス車長「どこと聞かれましても、もう皆に広まってますよ」
まほ「なに!?」
マウス車長「それで、どうだった?副隊長」
エリカ「す、すごかったです…///」
まほ「答えなくていい!」
66 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:48:43.29 ID:zOnH6XeKo
まほ「誰から聞いた!言え!」
エリカ「お、落ち着いてください、まほさん」
マウス車長「ん?」
エリカ「あ」
まほ「……このバカ」
マウス車長「へへぇ、『まほさん』ね…」
エリカ「あ、いや、これは…///」
マウス車長「仲がよさそうで羨ましい限りです、祝砲でもどうです?マウスの12.8cmならいつでも…」
まほ「必要ない!自分の仕事に戻れ!」
マウス車長「Jawohl!」
67 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:50:25.27 ID:zOnH6XeKo
パーン パーン
まほ「ん?」
パンター車長「おめでとうございます!お二人ともー!」パチパチパチ
ヤクパン車長「おめでとう副隊長ー!」
「おめでとうございまーす!」 「おめでとー!」 「式には呼んでくださいねー!」
まほ「な、なんだこれは…」
エリカ「一日でバレちゃいましたね…」
まほ「くそ、どこから漏れた…」
エリカ「いいじゃないですか、皆祝福してくれてますし」
まほ「そういう問題では…」
BAM! BAM! BAGOOOOMM!!
まほ「なんだ!?」
Ⅲ号車長「おめでとうございます、どうでした?8.8cmと12.8cmの祝砲は」
まほ「ぐっ…」
68 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:51:27.33 ID:zOnH6XeKo
まほ「全員自分の持ち場に戻れ!今すぐ練習開始だ!とっとと行け!」
Ⅲ号車長「は、はい!」
小梅「照れ隠しですね」
ヤクパン車長「うん」
まほ「何か言ったか!早くしろ!」
小梅「了解!」
ヤクパン車長「はーい」
まほ「まったく…!」
69 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:51:58.15 ID:zOnH6XeKo
まほ「始めるぞ、エリカも行け」
エリカ「はい」
まほ「ああ、待った」
エリカ「…?」
チュッ
エリカ「あ…///」
まほ「よし、いいぞ」
エリカ「あ、あはは…それでは」タタタ
70 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:53:00.92 ID:zOnH6XeKo
エリカ「隊長!」
まほ「なんだ?」
エリカ「今日は勝たせてもらいますよ!」
まほ「っはは…望むところだ!」
完
71 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/15(日) 20:55:07.73 ID:zOnH6XeKo
終わりになります、お付き合い頂いた方には感謝したい、スレタイのミスは気にしないでほしい
個人的にこの二人は双方真面目で良いコンビだと勝手に思ってます
※スレタイのセリフにカッコが閉じられてませんでした。
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/15(日) 20:59:50.84 ID:iFa0oiVIO
乙
良かったよー
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2013/12/15(日) 22:11:55.09 ID:o/oh5yzH0
乙
エリカとまほの絡みも良かったけど、みほと忠犬の所も非常に良かったです。
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/15(日) 22:28:19.47 ID:bFbaxTZSo
乙
やっぱエリまほはええなぁ~
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/16(月) 01:41:56.41 ID:T/Gm3KZDO
ヤクパン娘って直下さんじゃなかったか?
76 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/12/16(月) 09:09:27.48 ID:Cs/6imklo
>>75
あくまでオフィシャルではないそうです

Entry ⇒ 2014.07.07 | Category ⇒ ガールズ&パンツァー SS | Comments (1) |
みほ「オナニーしようかな……」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/22(木) 21:47:01.93 ID:VwIi46NI0
みほ「黒森峰も十連覇出来て、今は練習お休み、相部屋のお姉ちゃんも出かけてて暇だな」
みほ「オナニーしようかな……」
みほ(ちょっと、下着の上からあそこ触るだけ)サワッ
みほ「んっ」ビクッ
みほ(だめだ、我慢できなくなってきた)
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/22(木) 21:47:59.38 ID:VWPh0wv80
西住殿ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/22(木) 21:48:04.30 ID:Oyn7pNPMT
相撲部屋に見えた
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 21:48:43.18 ID:VwIi46NI0
みほ「……んっ、ふっ……くっ」スリスリ
みほ「下着汚れちゃった……穿いてても気持ち悪いから脱ご」
みほ「はぁぁっ、んっふっ」クチャクチャ
みほ「そろそろ、指を入れて」ヌプッ
みほ「んんんっ」ビクン
みほ「お姉ちゃんのベット良い匂い……」スーハスーハ
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 21:51:57.62 ID:VwIi46NI0
エリカ「失礼します、隊長ちょっと――
みほ「お姉ちゃん、良いよぉ……気持ち良い、もっと触ってぇぇぇ」
エリカ「」
みほ「あ……」ビクッ
エリカ「……なにしてるんですか?」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 21:54:19.73 ID:VwIi46NI0
みほ「あの、えっと///」
エリカ「隊長の部屋で何してるんですか!!」
みほ「ええ?ここ私の部屋でもあるし……」
エリカ「それに、隊長をオカズにして……」
みほ「……なんで怒ってるんですか?」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 21:57:54.69 ID:VwIi46NI0
エリカ「……いいわ、手伝ってあげる」
みほ「手伝うって?」
エリカ「どうせ、このまま終われないでしょ、隊長を汚されるくらいなら――ガハッ
みほ「ひやっ、逸見さん?」
エリカ「私が気持ちよくしてあげるって言ってんのよ!!」サワッ
みほ「ちょっ、やめて」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:00:14.78 ID:VwIi46NI0
エリカ「やめて?、こんなに濡れてるじゃない!!」ニチャ
みほ「それは、自分でしてたか――んっ……」
エリカ「でも気持ちいいんでしょ!!」
みほ「んんっ、ふっ、たす、お…ねえ……ちゃん、お姉ちゃん、助けて」
エリカ「!!、気持ちいいことだけ考えてなさいよ!!」クチュクチュ
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:03:10.09 ID:VwIi46NI0
みほ「ふっ、んんっ、あっ」
エリカ「良い声、出してきたわね」ドキドキ
エリカ「ねえ、私も気持ちよくしてよ」ヌギ
みほ「ええ?」
エリカ「おっぱい触ってよ」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:05:55.91 ID:VwIi46NI0
みほ「ううっ」サワッ
エリカ「ふざけてるの?」
みほ「……」モミモミ
エリカ「はっ、んっ、上手じゃない、気持ち良いわよ」
みほ「もう止めようよ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:09:12.03 ID:VwIi46NI0
エリカ「まだ、あなたがイッて無いでしょ」クチュクチュ
まほ「みほ?、誰か居るのか」ガチャ
エリカ「」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:12:42.78 ID:VwIi46NI0
まほ「……なにをしている?」
エリカ「あの、そのこれは――
まほ「みほから離れなさい!!」
エリカ「はい」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:14:47.31 ID:VwIi46NI0
まほ「みほ、大丈夫?」
みほ「うん」
まほ「シャワー浴びてきなさい」
みほ「……うん」
まほ「なんでみほをレイプした?」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:16:42.76 ID:VwIi46NI0
エリカ「……」
まほ「黙るな、答えろ!!」
エリカ「ごめんなさい」ガクガク
まほ「理由を聞いているんだが」
エリカ「……副隊長が……隊長の部屋なのに……オナニーしていたので」ガチガチ
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:20:28.63 ID:VwIi46NI0
まほ「みほとは合部屋なんだ、それに、それとお前がなんの関係がある!!」
エリカ「……わたしが……ちょう……す……だから…です」
まほ「聞こえない!!」
エリカ「私が隊長のこと好きだからです!!」
まほ「なに?」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/22(木) 22:22:50.02 ID:1Co1Du/sT
どうなるのか
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:23:43.52 ID:VwIi46NI0
エリカ「なのに、副隊長はいっつも隊長のそばにいて、隊長の部屋でオナニーなんかして
隊長のこと汚したから……私が――」
まほ「わかった、もういい、少し待ってろ」
エリカ「あの……わたし服を着ても――
まほ「自分で脱いだんじゃないのか?」
エリカ「……」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:27:00.76 ID:VwIi46NI0
まほ「みほ、落ち着いた?」
みほ「うん」
まほ「こっちに来て」
みほ「うん」トトト
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:28:48.34 ID:VwIi46NI0
まほ「エリカは私のことが好きで、みほに嫉妬してあんなことしたそうだ」
みほ「そう……なんだ……」
まほ「だから――んっ……」
みほ「んんっ…ちゅっ、ちゅ」
エリカ「」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:32:55.26 ID:VwIi46NI0
まほ「んっ、ん、ちゅっ、ちっゅ」
みほ「んんっ……ちゅっ、ぱっぁ、お姉ちゃん、逸見さんが見てるよ……」
まほ「見せ付けてるのよ」
エリカ「えっ――あの?」
まほ「悪いけど、みほとはこういう関係だから」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:35:19.97 ID:VwIi46NI0
エリカ「嘘」
まほ「嘘でこんなことしないわ、んっ……ちゅっ」
みほ「んんっ……お姉ちゃ――」
エリカ(ああ、隊長が、副隊長と恋人つなぎしながら、ぺロチューしてる)
エリカ「嘘……嘘……」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:38:54.94 ID:VwIi46NI0
まほ「目を逸らすな!!」
エリカ「……はい」(涙声)
まほ「泣き声を出すなよ、気が散る」
エリカ「は……い」(震え声)
まほ「もう濡れているな」クチュ
みほ「お姉ちゃんに触ってもらってるから」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:41:33.25 ID:VwIi46NI0
まほ「そうか、もっと触ってあげる」トサッ
みほ「はっ……んんっ、ちゅっ」クチュクチュ
まほ「みほはキスしながら、指を入れられるのが好きなんだな」
みほ「んんっ、好き……お姉ちゃんのよだれ……もっと……」
まほ「じゅぼっ、ちゅっ」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:44:42.28 ID:VwIi46NI0
みほ「ぢゅっっ、ちゅっ、こく、こくん」
まほ「アイツに汚されたところ、全部きれいにしてあげる」
みほ「うん、きれいにして」
まほ「任せろ、首筋から……ツー、ちゅっ、ぺろ……ぺろ」
まほ「あそこもきれいに……ちゅっ、ちっゅ、くちゅ」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:51:50.47 ID:VwIi46NI0
みほ「んっ、ふっぅぅ、くっ……はぁぁっ」
まほ「おつゆドンドン出てくる、気持ち良い?」
みほ「うん、ねえ……お姉ちゃんのも気持ちよくしたい」
まほ「わかった、なめあいっこしよう」
みほ「お豆の皮剥くね」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:56:04.71 ID:VwIi46NI0
まほ「ぺろっ、ぺろっ……ちゅぅぅぅ」
みほ「んっ、ふっっ……ちゅっ、ちゅぅぅ」
みほ「もう…イキそう…っ」
まほ「そうか、私もっ…だ…最後はこすり合わせようか」
みほ「うん」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 22:59:10.43 ID:VwIi46NI0
まほ「ハアハア」クチャクチュ
みほ「んんっ、はあっ、んぁぁ」クチュクチュ
まほ「いく、イクよっ」
みほ「うん、一緒……いっしよに」
まほ「んぁぁぁぁ」ビクビク
みほ「ふぁぁぁっ」ビクビク
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:02:51.64 ID:VwIi46NI0
まほ「一緒にイケたな」ハアハア
みほ「気持ちよかったよ」ハアハア
みほ「ちゅっ……ちゅ…」
まほ「ちゅっ」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:06:38.90 ID:VwIi46NI0
エリカ「もう終わりましたか……」グス
まほ「ああ、居たんだったな」
まほ「ま、こういうことだから、エリカの気持ちには応えられない」
エリカ「ヒック、ヒック」ポロポロ
まほ「というより、二度と顔も見たくないくらいだがな」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:08:08.30 ID:VwIi46NI0
エリカ「グス」
エリカ「ごめんなさい、副隊長ごめんなさい、たいちょうごめんなさい」ボロボロ
みほ「もう許してあげようよ」
まほ「なに言ってる、こいつはみほを――」
みほ「ちょっと驚いただけだよ、こんなにしたら、かわいそうだよ」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:10:49.55 ID:VwIi46NI0
まほ「でも」
みほ「ね、逸見さん、もう泣き止んで」
エリカ「なんで……あんなこと……したのに優しいんですか?」
みほ「私も、ずっとお姉ちゃんのこと好きだったから、気持ちわかるし」
みほ「だから――お姉ちゃんに気持ちよくしてもらお」ガバッ
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:13:08.07 ID:VwIi46NI0
エリカ「え?、ちょっどこ、さわっって……ひゃっ」
みほ「ほら、お姉ちゃん逸見さんのここ、こんなになっててかわいそうだよ」ネトォ
まほ「寝取られ属性でもあるのか?」
エリカ「ち、ちが――」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:20:11.12 ID:VwIi46NI0
まほ「私は、お仕置きのつもりでするからな、みほディルド出して」
みほ「うん」ゴソゴソ
エリカ「それ、何ですか」
みほ「男の子のおちんちんの模型みたいな奴かな、二つ頭があるから、挿入れる人も
挿入られる人も気持ちいいんだよ!!」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:24:41.77 ID:VwIi46NI0
まほ「エリカ、四つんばいになってお尻をこっちに向けろ」
エリカ「……はい」
まほ「それじゃ、挿入れるぞ」ズブッ
エリカ「ひぐぅぅぅ」
みほ「ああ、そんないきなり挿入れたら痛いよ」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:27:59.27 ID:VwIi46NI0
まほ「そうか、すんなり挿入ってしまったぞ?」ズブズブ
エリカ「はっ……ああっ」
まほ「エリカ、初めての相手が私でうれしいか?」
エリカ「はい!!」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:30:41.29 ID:VwIi46NI0
まほ「喜ばせるためにしてるんじゃない!!」尻)ペシッ
エリカ「んはぁぁっ」ビクン
まほ「叩かれても喜ぶのかお前は!!」
みほ「痛くしたら、可哀想だよ」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:33:13.95 ID:VwIi46NI0
まほ「いや、喜んでいる」
みほ「そんなこと無いよね、優しくされたほうがいいよね、胸いじってあげる」フニフニ
エリカ「んんっ」
みほ「あ、乳首尖ってる」コリコリ
まほ「ほらみろ、喜んでる」
エリカ「はっ、はっ……はあぁぁっ」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:36:29.25 ID:VwIi46NI0
まほ「こら、私にばかり動かせてないで、腰を振れ」尻)ペシッ
エリカ「は……い、んんっっ」フリフリ
まほ「んっ、悪くないぞ、こうしてもらいたくて練習してたんじゃないのか?」
エリカ「そんなことしてません」
まほ「どうだかな」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:39:48.76 ID:VwIi46NI0
みほ「おっぱい舐めるよ」ペロッ
まほ「舐めにくくないか? エリカ起きろ」グイッ
エリカ「へっ、ふあっ」←背面座位
みほ「ちゅっ、ぺろっ……ん…やっぱり逸見さんのおっぱいおっきい」イイナ
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:41:50.18 ID:VwIi46NI0
まほ「みほも十分大きいぞ」
みほ「お姉ちゃんはもっと大きいし」
まほ「私はみほのおっぱいが好きだぞ」
みほ「えへへっ、さて逸見さんの下のほうは……あ」
みほ「繋がってるとこ丸見え」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/22(木) 23:44:29.67 ID:8jF0Hzsp0
なるほど
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:44:47.50 ID:VwIi46NI0
エリカ「見ないで!!」
みほ「やっぱり血が出てる、痛そう。舐めてあげるね」ペロッ
エリカ「ひっ、んんっ」
みほ「逸見さん、気持ち良い?」ペロペロ
エリカ「き、気持ち良いです」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:47:05.22 ID:VwIi46NI0
まほ「みほ……私にもして、嫉妬する」
みほ「わかった」チクビコリコリ
まほ「んぁぁっ」ビクッ
みほ「ほら、動いてあげないと」
まほ「うん」カクカク
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:50:54.83 ID:VwIi46NI0
みほ「お姉ちゃん、もうイキそう?」
まほ「ああ」
みほ「逸見さんは?」
エリカ「はっ……はっ…はっ」
みほ「もうイキそうだね、お姉ちゃん体位変えてあげて」
まほ「?」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:54:15.97 ID:VwIi46NI0
みほ「最後は、向かい合って……対面座位でしてあげて」
まほ「わかった、ほらエリカ、こっち向いて」
エリカ(隊長の顔が、唇が目の前に!!)
エリカ「ちゅっ」
まほ「んんっ……ぷぁ」
まほ「こら、誰がキスしていいって言った!!」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/22(木) 23:57:30.37 ID:VwIi46NI0
エリカ「でもぉ、でもぉ」
みほ「許す」
まほ「わかった、しかたがないな」
エリカ「たいちょぉぉ、しゅきです、だいしゅきぃ」
エリカ「イク、イクぅぅぅぅ」ビクビク
まほ「くっ……んんんっっっ」ビクビク
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:00:56.86 ID:2G7FwSH50
みほ「一緒にイケたんだ良かったね」
エリカ「あ……ん…かはっ」ハアハア
みほ「お姉ちゃんはどうだった?」
まほ「まあ、悪くなかったぞ」
みほ「逸見さん、気持ちよかったって」
エリカ「う、うれしいですハアハア」グッタリ
まほ「別にそこまで――
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:05:44.85 ID:2G7FwSH50
みほ「お姉ちゃんディルド貸して」
まほ「ああ」
みほ「次は私だからね」ヌププ←装着
エリカ「え、ちょっ、待っ」
みほ「待てない」ズプッ←挿入
エリカ「んああっ!!」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:09:58.43 ID:2G7FwSH50
みほ「痛くないよね、大丈夫?」
エリカ「痛くは無いですけ――んんんっ」
みほ「じゃ、続けるよ」
まほ「私は風呂に入ってくる」
みほ「入ってらっしゃい」パンパン
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:12:02.58 ID:2G7FwSH50
エリカ「んっ……ちゅっ、ぺろ、ぺろ」
まほ「なんだ、まだしてるのか」
みほ「ううん、きれいにしてもらってるだけ」
まほ「それにしても……まるでバター犬だな」
エリカ「んぱっ、わたしそんな――
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:16:43.94 ID:2G7FwSH50
みほ「逸見さん、口」
エリカ「はっ、はい、ぺろぺろ」
みほ「うん、良い子だね」ナデナデ
まほ「……!」
まほ「みほ、ちょっと」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:19:13.24 ID:2G7FwSH50
みほ「なに、お姉ちゃん?」
まほ「――」ボソボソ
みほ「逸見さんが決めたら良いんじゃない?」
エリカ「?」
みほ「逸見さん、もう止めていいよ」
エリカ「はい」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:21:16.54 ID:2G7FwSH50
まほ「エリカ、質問だが、私のことまだ好きか?」
エリカ「はい、大好きです!!」
まほ「そうか、しかし私は、みほのことが好きだ、これは絶対に変わらない」
エリカ「……」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/23(金) 00:24:20.27 ID:2G7FwSH50
まほ「でも私も鬼じゃない、一つ提案がある、私たちのペットにならないか?」
エリカ「ペット?」
まほ「そうだ、それも別に首輪つけて、裸でいろとか、外に出さないとかはするつもりは無い」
まほ「人間として、飼ってあげる、外出したければしても良い」
まほ「どうする、ずっと私のそばに居させてあげるけど」
エリカ「なります!!、ペットでも何でもなりますからそばに居させてください」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:27:20.17 ID:2G7FwSH50
しばらく後
みほ「ごはん出来たよ、ごはんにしよう」
まほ「いつも、作ってもらって悪いな」
みほ「ううん、お姉ちゃんに私の作ったご飯食べてほしいし」
まほ「私だって、みほに私のご飯食べてほしいんだぞ」
みほ「じゃあ、今度作ってもらおうかな」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:30:28.97 ID:2G7FwSH50
まほ「まかせて」
みほ「うふふ」
まほ「じゃあ、食べようか、いただきます」
みほ「美味しい?」
まほ「うん、いつも通り美味しいよ」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:33:20.98 ID:2G7FwSH50
みほ「よかった、逸見さんもあ~んして」
エリカ「あ~ん」
みほ「おいしい?」
エリカ「はい」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:36:45.86 ID:2G7FwSH50
まほ「次はどれが良い」
エリカ「じゃあ、これがいいです」
まほ「はい、あ~ん」
エリカ「あ~ん」
みほ「ご飯食べ終わったらお風呂入ろうね」
エリカ「はい」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:40:59.41 ID:2G7FwSH50
お風呂
みほ「はい、わきの下洗うからバンザイして」ゴシゴシ
エリカ「」バンザイ
まほ「頭は私が洗ってあげよう」
エリカ「本当ですか、やったぁ」
みほ「む、逸見さんは私にはなついてくれないの?」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:43:02.48 ID:2G7FwSH50
エリカ「え、その副隊長も好きですけど……」
みほ「仕方ないよね、お姉ちゃんのこと大好きなんだもんね」
エリカ「え、あの、その……ごめんなさい」オロオロ
まほ「ふふっ、みほ、あまりエリカをいじめるな」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:44:29.10 ID:2G7FwSH50
みほ「えへへっ、冗談だよ逸見さん」
まほ「エリカは今幸せか?」
エリカ「はい、私最高に幸せです」
おしまい
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:47:11.97 ID:2G7FwSH50
西住姉妹のペットになったエリカは、可愛い服着せられたり、肌のお手入れ
してもらったり、無駄毛処理してもらったり、歯磨きしてもらったりと
幸せなペット生活を送るんだよ。
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:50:42.65 ID:2G7FwSH50
んでもって、お姉ちゃんのこと大好きで寂しがりやだから、
お姉ちゃんが国際強化選手でしばらく家に居ないことが寂しいからみぽりん
の布団の中にもぐりこんできたりするよ。
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:52:32.10 ID:2G7FwSH50
みぽりんもお姉ちゃんのこと大好きだから、お姉ちゃんのどこが好きかとか
告白しあいながらオナニーの見せ合いっこもしたりすると思うよ。
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 00:56:06.29 ID:2G7FwSH50
エリカは出来たペットだから、時々自宅に戻って西住姉妹を二人っきりに
してあげることも忘れない。
そのときの西住姉妹は濃厚なエッチをするに違いない。
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/08/23(金) 01:00:41.70 ID:2G7FwSH50
西住姉妹もまれにケンカすることがあって、そのときエリカはオロオロして
泣き出すんだろうな。
と色々妄想を詰め込んだ続編を書いてるけど、投下は未定
要望があったら聞く
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/23(金) 00:44:52.17 ID:JJDHRxFV0
乙
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/23(金) 00:45:56.18 ID:7n9MXa4q0
おつ
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/08/23(金) 00:46:57.13 ID:4qvSZkgJT
乙、また頼む

Entry ⇒ 2014.06.21 | Category ⇒ ガールズ&パンツァー SS | Comments (5) |
まほ「鋼鉄の死神」

1 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/18(月) 10:33:29.35 ID:Ob5Kw8LLo
~黒森峰女学園~
VUOOOOOM……
まほ「全車、パンツァーカイル戦闘隊形!」
エリカ「4号車、遅れてるわよ!」
まほ「目標まで距離2000、任意に砲撃開始」
BAM! BAM! BAGOOM!!
エリカ「2号車、標的撃破」
まほ「6号車、11号車外したぞ、11号車はこれで4回目だ、次はない」
『11号車了解です!』
BLAM! DOM!
エリカ「7号車、標的撃破」
まほ「9号車ハズレだ、当たると確信するまでは撃つな、勘に頼るのはよせ」
※まほさん過去回想話、短いです
※キャラ崩壊が含まれる可能性があるのでご注意ください
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1384738409
2 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/18(月) 10:35:01.66 ID:Ob5Kw8LLo
まほ「全標的撃破、全車整列して降車、集合しろ」
『了解!』
エリカ「命中率は…60%というところです」
まほ「よくないな」
エリカ「特に初弾を当てた車両は少ないですね、仕方ないかもしれませんが」
まほ「当ててくれなければ困る」
エリカ「…ですね」
まほ「止まった的でこれなら試合ではもっと低くなる、向こうもこちらも動くからな」
3 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/18(月) 10:36:55.35 ID:Ob5Kw8LLo
まほ「皆ご苦労だった、午後からは試合形式の練習を行う、昼食は各自しっかりとっておけ」
まほ「それと、11号車の車長は私のとこへ来い、以上だ!」
「あー疲れた…」 「やっとお昼だね」 「お腹すいたー…」
まほ「呼ばれた理由はわかってるな?」
生徒「は、はい!」
まほ「結局5発連続で外したな、命中率も最下位だ」
生徒「申し訳ありません…」
まほ「35(t)のリベットを数えるのと格納庫の清掃はどっちがいい?」
生徒「へっ?え、え~と……清掃がいいです」
まほ「よし、練習が終わったら清掃してから帰るように、他の乗員にも伝えておけ、行っていいぞ」
生徒「はい!失礼します!」
4 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/18(月) 10:38:41.18 ID:Ob5Kw8LLo
~隊長室~
まほ「…暑い」
まほ(もう冬だと言うのにこう暑いと指示するだけでも疲れるな、いつ北上するんだったか)
まほ(上着を脱いでしまうか……いや、下級生に示しがつかないし…)
まほ(まあいい、どうせ部屋の中だけだ)バサッ
コンコンッ
まほ「」ビクッ
エリカ「隊長、午前中の訓練の詳細結果ですが…」
まほ「あぁ、なんだエリカか……入れ」
カチャッ
エリカ「……えらい格好ですね」
まほ「勘弁してくれ…」
5 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/18(月) 10:40:13.48 ID:Ob5Kw8LLo
エリカ「一年生に見られないようにしてくださいよ?」
まほ「わかってる、部屋の中だけだ」
エリカ「それで、データですが」
まほ「そこに置いておけ、後で確認する」
まほ「……今日はすまないな、一年生のみの練習に付き合ってもらって」
エリカ「いえ…私から申し出たことなので」
まほ「ふふっ、真面目だな」
エリカ「笑わないでくださいよ、隊長こそ、大会も終わったのにこうして休日に出てきて指導してるじゃないですか」
まほ「一応まだ隊長だからな、しばらくしたらお前に全部任せる」
エリカ「面倒な仕事は済ませておいて下さいね」
まほ「それはどうかな」
6 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/18(月) 10:41:25.91 ID:Ob5Kw8LLo
まほ「しかしどうしたものかな、一年生には」
エリカ「戦力になるのは全体の3割くらいですかね」
まほ「実力の問題だけじゃない、私が一年の頃はなんというか…みんなもう少し緊張感があったと思う」
エリカ「隊長が一年生のころですか…想像できません」
まほ「失礼だな」
エリカ「あ、いえ!そんなつもりでは……でも気になります、どんな生徒だったんですか?」
まほ「別に今と大して変わらない、真面目なだけの生徒だったよ」
エリカ「一年から黒森峰の隊長を?」
まほ「最初から、というわけじゃないがな」
7 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/18(月) 10:43:15.02 ID:Ob5Kw8LLo
まほ「きっかけになったのは…上がりたての頃のグロリアーナとの練習試合だったか」
エリカ「ではあの話は本当なんですか?」
まほ「話?」
エリカ「隊長のティーガー1両でグロリアーナの戦車を30両撃破したって話です、チームで知らない人はいませんよ」
まほ「はっ、いつの間にか増えてるな、30両は嘘だ、エイブラムスでもなければ無理だろう」
エリカ「でも、1両でグロリアーナを相手にしたのは事実なんですよね?」
まほ「一応な、でも結局火力と装甲に頼った戦い方だったし、あまり自慢するような話じゃない」
エリカ「詳しく聞かせて頂いても?」
まほ「気は進まないが…お前だけだからまあいいか」
まほ「私が普段乗ってるあのティーガーで試合に出たのはそれが初めてだった」
まほ「今思えば、私にとっては運命の出会いだったのかもしれないな、もっとも私は今でもパンターの方が好みだが」
8 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/18(月) 10:45:01.63 ID:Ob5Kw8LLo
~黒森峰女学園~
--2年前--
隊長「傾注!本日の訓練ご苦労だった、一年生諸君に朗報があるぞ、聖グロリアーナとの練習試合が決まった、日時はちょうど2週間後だ」
隊長「一年生を中心に編成し実力を見極めることになる、心の準備をしておけ」
隊長「敵は巡航戦車を中心に編成された機動力の高い強敵だ、咄嗟の判断力を鍛えるため編成は公開されない、こちらも同じ方針で行くが……詳しい編成などは追って伝える、以上だ」
「Weggetreten !」(解散!)
生徒「グロリアーナかぁ…勝てるかな」
生徒「私たち一年生にはチャンスだよ、試合に出られたらの話だけど」
まほ(機動力重視…か、私の出番はなさそうだ)
生徒「お疲れ様西住さん」
まほ「ああ、お疲れ様」
まほ(私も帰るか……あれ?帽子がない、車内に忘れたか?)
9 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/18(月) 10:46:47.59 ID:Ob5Kw8LLo
~格納庫~
まほ「早めに戻らないとな…見つかると面倒だ」
まほ(ん…?)
まほ「これは…ティーガー…?」
まほ(凄いな、新品同様じゃないか、角型の防盾、色気のあるダークイエローに8.8cm……間違いなさそうだ)
まほ(212…?待てよ、確かどこかで…)
「おい!そこで何してる!」
まほ「っ…まずい」
隊長「……西住か?」
まほ「お疲れ様です、隊長」カンッ
隊長「珍しいな、まだ残ってたのか、一体何の用だ?」
まほ「忘れ物を」
隊長「じゃあ何故ここで突っ立ってた」
まほ「いえ、その……」チラ
隊長「…ああ、こいつが気になるのか?」
10 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/18(月) 10:47:30.43 ID:Ob5Kw8LLo
まほ「新しく導入された戦車ですか?」
隊長「ああ、貴重なⅥ号戦車だ、詳しい事は知らないが、なんでも欧州のどこかから引き取ってレストアしたらしい」
まほ「ますます重戦車への偏重が進みますね」
隊長「言うじゃないか、実際、今回の練習試合はそれを危惧しての事もある、結局無駄に終わるかもしれないが」
隊長「…乗ってみるか?」
まほ「いえ、私はすぐに帰りますので」
隊長「そうじゃない、こいつで試合に出てみるかと言ってるんだ」
まほ「は?いえ、しかし……よろしいのですか?一年生にこんな貴重な車両を」
隊長「名家出身のスーパールーキーをいつまでも突撃砲に乗せておくほど私はバカじゃないぞ」
11 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/18(月) 10:48:41.85 ID:Ob5Kw8LLo
隊長「日ごろの練習を見るにその資格は十分ある、反対するやつもいないだろう」
まほ「…ありがとうございます」
隊長「決まりだな、君のチームにも伝えておいてくれ、足りない乗員はこっちで確保しよう」
隊長「試合までには88に慣れておけよ、期待してる」
まほ「了解しました、全力を尽くします……本当に無駄に終わりそうですね」
隊長「はっ、違いない」
12 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/18(月) 10:49:48.86 ID:Ob5Kw8LLo
まほ「そうして、私はあのティーガーに乗って試合に出ることになった」
エリカ「最初はⅢ突に?」
まほ「G型だったな、悪い車両じゃないがやっぱり砲塔が回るほうがいい」
まほ「肝心の試合だが、序盤は最悪だった、相手の土俵で勝負するのだから仕方ないかもしれないが、クロムウェルを中心とした部隊に機動力で完全に圧倒された」
まほ「ガタガタになった黒森峰は一時後退して故障した車両の応急修理と残った戦力の再編をすることになった」
エリカ「でも、後退する余裕はありませんよね?巡航戦車相手ならとても……」
まほ「ああ、そこでティーガーの出番だ、私たちは一両でグロリアーナを相手にすることになった」
17 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:22:50.20 ID:vP1jLhpso
VOOOOM!
まほ「よし、生垣に車体を隠せ、ここなら見通しもいい、エンジンも切っておけ」
装填手「連中まだやってきませんね、お茶でも飲んでるんでしょうか」
まほ「そのうち来るさ、向こうも待ち伏せを警戒して迂闊に進めないのかもしれない」
通信手「こっちをナメてるだけかも」
砲手「有り得ない話じゃないな、あいつらいつも上から目線で鼻に付くんだ、『お嬢様』はどう思います?」
まほ「その呼び方はやめろと言ってるだろう」
砲手「どうして、本当のことだろ?」
まほ「それでもダメだ」
砲手「了解、車長殿」
18 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:23:55.26 ID:vP1jLhpso
操縦手「でもなんでこんな小さな村に陣取ったの?ちょっと進めば大平原、起伏はあるにしても見通しが良すぎる」
まほ「だからこそだ、ティーガーの装甲は確かに厚いが1度に何両も相手できるほどじゃない、囲まれれば終わる」
まほ「こいつが得意なのは長距離砲撃だ、8.8の高い精度と質のいい照準器で敵の数を減らす」
砲手「距離が遠ければ貫徹力も落ちるが巡航戦車の装甲なら問題ない、逆にこっちは撃たれても安心ってわけ」
操縦手「回り込まれたら?」
まほ「周囲一帯は湿地だ、簡単にはいかないだろうが、いずれは横を突かれるな」
操縦手「なるほど、上手くいけば良いけど」
まほ「あくまで足止めが目的だ、時間を稼げば十分さ」
通信手「んー、ここがマジノ線ってことかな」
砲手「せめてジークフリートにしてくれ」
19 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:24:41.53 ID:vP1jLhpso
装填手「そうだ、コーヒー飲みます?今朝淹れたばかりなんです」
まほ「代用コーヒーじゃないだろうな」
装填手「ちゃんとコーヒー豆からですよ、ビスケットもどうぞ」
砲手「私のも頼む」
通信手「あ、私も私も!」
操縦手(呑気なもんね……)
まほ「…美味しい」ズズ
装填手「はは、それはよかった」
20 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:25:44.93 ID:vP1jLhpso
まほ(ん…?)モグモグ
まほ「……!来たぞ!準備しろ!」
通信手「もう!?まだ全部飲んでないのに!」
まほ「距離4000!」ゴクゴク
砲手「ようやくお客様のご来店か」
操縦手「ウェイトレスは足りないけど?」
まほ「無駄口たたくな!エンジン始動!」
21 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:27:51.11 ID:vP1jLhpso
操縦手「暖機運転よし!アイドリング正常!」
まほ「通行税の高さを教えてやろう、徹甲弾装填!」
砲手「敵は?」
まほ「砲塔11時!3両来るぞ、クロムウェル…おそらくMk.Ⅲだ、距離3000!」
まほ「左から順に照準!」
砲手「了解!」
砲手「綺麗な横隊だ……随分余裕そうに走ってるな、奴らもう勝ったつもりでいるらしい」
まほ「そのようだ、では教育してやるか」
22 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:28:51.69 ID:vP1jLhpso
まほ「距離2000!撃て!」
BRAM!
BUH-KOOM!!
クロムウェル「」シュパッ
まほ「1両撃破!次発装填急げ!」
装填手「装填完了!」SHCOM!
BAM! BAGOOOM!
まほ「2両目撃破!まだこちらに気づいていないようだ」
砲手「くそ、稜線の陰に隠れた!」
まほ「落ち着け、先に動くと不利だ」
23 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:29:35.37 ID:vP1jLhpso
まほ「敵の本隊が接近中、かなりの数だな、まだ増えるぞ」
操縦手「そろそろ後退?」
まほ「いや、まだここで踏みとどまる」
まほ「グロリアーナは別働隊を出したはずだ、あまり悠長にはやってられないが」
砲手「どれから狙えば良い?」
まほ「先頭のクルセイダー、距離2500!」
DOOM! BAGOM!!
まほ「よし、3両目だ!」
24 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:30:48.98 ID:vP1jLhpso
DOM! BAOM!
まほ「さすがに気づかれたか」
QUWAM!
通信手「ひぃっ!」
まほ「この距離なら大丈夫だ、安心しろ」
まほ「砲塔1時!さっきのクロムウェルだ」
QUiiiiii……
砲手「照準よし!」
まほ「Feuer!」
BRAM! DOOOMM!!
クロムウェル「」シュパッ
25 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:31:49.86 ID:vP1jLhpso
まほ「砲塔1時クルセイダー、距離2000!撃て!」
BAKOM! BTHOOOM!
砲手「よーし、やった!」
まほ(妙だな、いくらなんでもこんな馬鹿正直に突っ込んでくるか…?)
まほ「ん……?」
まほ(…っ!あれは…!?)
砲手「車長!まずいのがいるぞ!」
まほ「わかっている!」
ZUVO! BAOM!
まほ「くそ!ファイアフライだ!」
26 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:32:35.67 ID:vP1jLhpso
まほ「スモーク散布!村の中まで後退するぞ!」
POMPOM!
まほ「操縦手!全速!」
操縦手「Jawohl!」
VUOOOOOMM!
まほ「一本道でもう一度迎え撃つ、瓦礫で車体を隠せ」
装填手「ここまで入ってくるでしょうか」
まほ「向こうも急いでるだろうからな、通信手!本隊の状況は?」
通信手「あと30分はかかるって!」
まほ「急がせろ!5分でも長過ぎる!」
27 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:33:37.85 ID:vP1jLhpso
VOOOOOM!
まほ「来たぞ!撃て!」
DOM! BAKOOOM!
まほ「一両やった!次!」
砲手「数が多過ぎる!」
まほ「前方に3両!右に照準!撃て!」
DOOOOM!
クロムウェル「」シュパッ
28 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:34:30.59 ID:vP1jLhpso
まほ「増えてきたな、反転しろ、路地へ逃げ込め!」
VUOOOOOMM! ZUVO! DOM!
操縦手「その後はどうするの?」
まほ「今考えてる」
操縦手「頼もしいわね」
まほ「うるさいな……」
29 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:35:43.42 ID:vP1jLhpso
まほ「Halt!Halt!」(停止!)
操縦手「…見失ってくれたかしら」
通信手「だといいけどね」
まほ(もう少し粘れると思ったが、まさかファイアフライがいるとはな…)
まほ(どうするか…クロムウェルだけならまだしもコメットも数両見えた、飛び込むにはリスクが高い)
まほ(6ポンドだって絶対に貫通しないわけじゃない、この状況で正面からは…)
装填手「大丈夫ですか?」
まほ「……あぁ」
装填手「そうは見えませんけど」
まほ「焦ってるように見えるか?」
装填手「見えますよ、今までで一番怖い顔してます」
30 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:36:31.80 ID:vP1jLhpso
砲手「大事な試合で緊張するのは分かるけどしっかりしてくれ」
まほ「お前に言われなくても…」
操縦手「らしくないわね、常に冷静、冷徹、冷血ってイメージだけど」
まほ「サイボーグじゃないんだぞ」
砲手「なんにせよ、お前がいないと私達は戦争が出来ないんだ」
まほ「…ああ、お前には私の守護天使になってもらう」
砲手「喜んで」
まほ「ふー…よし、中速前進、側面から飛び込む」
操縦手「了解」
装填手「危険過ぎるのでは?」
まほ「リスクを恐れていては結果は得られない」
装填手「『計算されたリスク』ってやつですか」
まほ「ジョージ・パットンか、良い言葉だな」
砲手「らしくなってきたじゃないか、温室育ちは困るね」
まほ「お前は少し黙ってろ」
31 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:39:33.51 ID:vP1jLhpso
VRROOOOOOMM!!
まほ「増速!Los!Los!」
操縦手「敵の車列!」
まほ「最後尾にぶつけろ!増速!」
操縦手「つかまってて!」
CRASH!!
32 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:40:07.30 ID:vP1jLhpso
聖グロ車長「うわわ!倒れるぞ!」
聖グロ生徒「くそ!ジャガイモ野郎め!」
まほ「コメットに照準!撃て!」
BRAM!!
コメット「」シュパッ
まほ「次!右だ!」
装填手「装填完了!」SHCOM!
まほ「撃て!」
BAM!
クロムウェル「」シュパッ
DOM! QUWAM! ZUVO!
まほ「どうした撃ち返せ!」
砲手「無理だ!今ので照準器がダメになった!」
まほ「ちっ、零距離!右6度修正!」
33 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:41:15.25 ID:vP1jLhpso
まほ「Feuer!」
BUH-KOOOOM!!
まほ「上出来だ!逃げるぞ!」
VUOOOOM!
聖グロ車長「なんって奴らなの!」
聖グロ生徒「さっきからあれ一両にやられてます!」
聖グロ車長「ダージリンは!?」
聖グロ通信手「今到着したそうです!」
35 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:43:31.68 ID:vP1jLhpso
VORRRRRR……
砲手「どうするんだ?まともに照準もできないんじゃ限界がある」
まほ「機を見て再度突入する」
砲手「照準器が壊れたって聞こえなかったか?」
まほ「敵を混乱させ続けるほうが重要だ、接射なら狙う必要もないだろう」
操縦手「撃って逃げての繰り返しか、いいの?」
まほ「勝算もないのに正面から出て行っておしまいか?」
操縦手「ってことはまだ勝算はある?」
まほ「多分な」
GAM! QRRRRR
通信手「な、なに!?」
操縦手「動かない!履帯が逝ったかも!」
まほ「……転輪ごと外れてる、こんな時に!」
36 : ◆qedcB6PeDz8R [saga]:2013/11/23(土) 19:44:22.99 ID:vP1jLhpso
操縦手「無茶し過ぎたわね、こいつのサスペンションは余裕がないし」
砲手「これでも勝算はあるって?」
まほ「さっき黙れと言ったな!命令はまだ有効だ!」
砲手「はいはい」
装填手「リカバリーの時間なんてありませんし、このままでは……」
VORRRRRR―――……
まほ「……!前方敵戦車!早く乗れ!」
砲手「なんだ?見慣れないな」
操縦手「あの戦車…チャーチルとは違うみたいだけど…」
まほ「ブラックプリンスだ、後続にチャーチルもいる、まずいな…」
37 : ◆qedcB6PeDz8R [saga]:2013/11/23(土) 19:45:19.85 ID:vP1jLhpso
~ブラックプリンス車内~
ダージリン「前方に敵車両、例のタイガーね」
ダージリン(あら、履帯が…?)
操縦手「接近しますか?」
ダージリン「そうね……APDS装填!」
DOM! KAM!
装填手「撃ってきましたね」
アッサム「発砲許可を!」
ダージリン「待ちなさい、あの砲ではこちらの正面装甲は貫けないわ」
38 : ◆qedcB6PeDz8R [saga]:2013/11/23(土) 19:47:16.15 ID:vP1jLhpso
BAM! QUWAM!
まほ「…ダメか」
砲手「クソ!あのタンニン中毒共!練習試合だってわかってるのか!?」
操縦手「次に期待ね」
砲手「次があってたまるか!」
通信手「ティーガーで暴れてる私たちも大概じゃないかな……」
装填手「なんで向こうは撃ってこないんでしょう?」
まほ「わからないな、砲弾を積み忘れたか」
操縦手「正々堂々が登録商標らしいわよ、ホントかどうか知らないけど」
BRAM! GUM!
砲手「埒が明かない!」
まほ「装填手!硬芯徹甲弾装填!」
装填手「了解!」KOM!
砲手「そんなもの積んでたのか、貫けるのか?」
まほ「カタログスペックではギリギリな、まぁ賭けだ」
砲手「不利なオッズだと思うけど…」
まほ「配当は大きいぞ」
VORRRRRR……
砲手「なんだ…?停止したぞ」
操縦手「車長が出てきた」
まほ「一体なんのつもりだか……砲手、いつでも撃てるようにしておけ」ガコン
砲手「jawohl!」
39 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:48:11.64 ID:vP1jLhpso
ダージリン「あなたが車長ね?」
まほ「…なにか?」
ダージリン「そちらは身動きが出来ない上、こちらの装甲を貫けるほどの火力が無いとお見受けしましたが」
まほ「どうかな」
まほ(この距離なら……いけるか)
ダージリン「我々は騎士道精神を重んじていますの、降伏をお勧めするわ」
まほ「……」
まほ「左3度修正、俯角2度」ボソボソ
ダージリン「…お返事は?」
まほ「…高射砲でも撃ち抜けない戦車を用意するのはどうかと思うが」
Quiii……
砲手「照準完了」
ダージリン「あら、こんな言葉をご存知かしら?『All is fair in love and war.』愛と戦争には――――」
まほ「Feuer!!」
BAGOOOOOMM!!
40 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:48:56.14 ID:vP1jLhpso
ダージリン「え…?」
まほ(どうだ…!)
ブラックプリンス「」シュパッ
砲手「やった!間抜けで助かった!」
通信手「ちょ、ちょっと卑怯じゃない?」
操縦手「あんなもの持ってくるほうが汚いわよ」
ダージリン「そ、そんな……」
まほ「まだ終わってないぞ!」
41 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:49:35.15 ID:vP1jLhpso
まほ「砲塔7時ファイアフライ!旋回急げ!」
操縦手「奴らご丁寧に待機してたみたいね」
砲手「ダメだ!間に合わない!」
BAM! DOOOOMM!!
ティーガー「」シュパッ
42 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:51:05.31 ID:vP1jLhpso
まほ「ゲホッゲホッ…ああっ、くそっ……全員生きてるな」
砲手「あー、返事は後でな……」
通信手「頭ぶつけた…」
操縦手「見事にやられたわね」
まほ「12号車より1号車へ、聞こえるか?」
黒森峰生徒『こちら1号車、どうぞ』
まほ「すまないが撃破された、そちらの状況は?」
黒森峰生徒『たったいま全て終わったところです』
まほ「よかった、では後は任せる、幸運を」
黒森峰生徒『はい、お疲れ様でした』
まほ「とりあえず義務は果たしたか……」
装填手「これだけやれば上出来だと思いますよ」
まほ「そう思いたいな、みんなよくやった、降りて破損箇所を調べておこう」
43 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:52:22.10 ID:vP1jLhpso
まほ「よっ…と」ストン
砲手「血が出てるぞ、大丈夫か?」
まほ「ああ…小石か何か跳ねたんだろう、着弾の衝撃で頭が少しふらつくが問題ない」
砲手「いつまでも頭を出してるからだ、消毒くらいはしておいたほうがいいんじゃないか」
まほ「嬉しいな、お前が私を心配してくれるとは」
砲手「お嬢様のお顔に傷がつけば誰だって心配しますよ」
まほ「馬鹿言え」
操縦手「あ~あ、こりゃひどいわね、エンジンに直撃してる」
通信手「整備の人たちから文句言われるよ」
砲手「手伝う羽目になりそうだな…めんどくさい」
まほ「自分の車両くらい自分たちで整備できたほうが都合がいいさ」
44 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:53:28.56 ID:vP1jLhpso
ダージリン「失礼、少しよろしいかしら」
アッサム「どうも」
まほ「あ…さっきの…」
砲手「相手にすると面倒くさそうだな、任せる」ポン
まほ「あ、おい!」
ダージリン「あら…あなたまさか西住流の?」
まほ「ええ、まあ…それが何か?」
ダージリン「いいえ、もっと正々堂々とした戦いをするものだと思っていたからちょっと意外で」
アッサム「こ、こら、やめなさいよ」
まほ「チャンスを最大限活用しただけだ、それに『一度抜いた剣は勝つか死ぬまでは棄てるな』と言うだろう、確かチャーチルの言葉だったと思うが」
ダージリン「こ、これは一本取られましたわね……まぁいいわ、実力は確かみたいだし」
ダージリン「貴女、紅茶は好きかしら?」
まほ「……?いや、どちらかといえばコーヒーのほうが」
ダージリン「なら丁度いいわ、あんな泥水はやめてこっちにしなさい」サッ
45 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:54:12.45 ID:vP1jLhpso
ダージリン「オススメの茶葉よ、お口に合えばいいけれど」
まほ「……どうも」
ダージリン「ミルクは先入れのほうが美味しいわよ、それじゃあ、また戦う日を楽しみにしてるわ」
まほ「ああ」
アッサム「ごめんなさいね、彼女も悪気はないんだけど…」
まほ「別に気にしてない」
46 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:55:09.66 ID:vP1jLhpso
砲手「どうだった?」
まほ「なんだかよくわからないが、茶葉をもらった」
砲手「茶葉?紅茶の?」
まほ「それも随分高そうなやつだ、ほら」
砲手「はは、確かにお嬢様にはコーヒーよりそっちの方が似合うな」
まほ「からかわないでくれ、大体紅茶の淹れかたなんて知らないぞ」
砲手「今から練習しておいたらどうだ、男にモテるかも」
まほ「冗談だろう……」
47 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:57:03.88 ID:vP1jLhpso
まほ「……それからすぐに本隊が到着してグロリアーナを奇襲する形になった」
まほ「ティーガーが暴れまわって混乱した状態だったから対処が遅れたんだろうな、向こうも一年生ばかりだったから無理もない」
エリカ「試合の結果は?」
まほ「なんとか勝ったよ、ティーガーはエンジンを撃ち抜かれておまけに無茶をやり過ぎて足回りもボロボロだった、延々と愚痴を聞かされながら修理を手伝ったのは良い思い出かな……」
エリカ「結構な泥仕合だったんですね…」
まほ「『期待してたのと違う』か?」
エリカ「へっ?え、ええ、まあ……」
まほ「ふっ、所詮そんなものだ」
48 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 19:57:51.41 ID:vP1jLhpso
まほ「いつも思うことだが、私はあまり指揮官には向かない性格なんだろうな」
エリカ「……そんなこと隊長が言ったら、私はどうなるんです」
まほ「お前のほうが素質はあるんじゃないか?もう少し落ち着けばの話だが」
エリカ「え?」
まほ「私は優秀な指揮官の下で戦ってるほうが好きだ、ある程度自由にやれるしな」
まほ「エリカは判断が早過ぎるんだ、悪いことじゃないがもう少し冷静になったほうがいいぞ」
エリカ「う…わかっているつもりなんですけどね……」
49 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 20:00:07.66 ID:vP1jLhpso
まほ「さ、はやく昼食をとって練習に戻ろう、いい時間だ」
エリカ「そういえば、午後からは試合形式の練習でしたよね?」
まほ「ああ、どうかしたか?」
エリカ「隊長のティーガーと一年生で試合するのはどうです?」
まほ「馬鹿言うな、そもそも乗員が足りないだろう」
エリカ「私が砲手やりますよ、あとは優秀な一年生を選んで隊長の実力を見せ付けてやりましょう」
まほ「見せ付けてどうなる、まったく……さっさと食べるぞ、ちょっと飲み物を買ってくる」ガタッ
エリカ「あ、待ってくださいよ!いいじゃないですか、たまには変則的なルールでも…」ガタン
まほ「役に立たないことを練習しても仕方ないだろう」
エリカ「一対多での戦闘のなんたるかを……」
まほ「私はヴィットマンじゃないんだ、無茶言うな」
その日の午後、8.8cmの砲声と一年生の悲鳴が晴天に鳴り響いた
完
50 : ◆N7DVv.HogQ [saga]:2013/11/23(土) 20:02:02.39 ID:vP1jLhpso
お付き合い頂いた方ありがとうございました、投稿をミスるうえにオチが弱いですが勘弁してください
カッコいいお姉ちゃんを書こうと思ったら随分男っぽくなったけど元々男前だからしょうがないね
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/11/23(土) 21:24:13.45 ID:yC6rrpRPo
おつ!
いい戦車道SSだった!
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/11/24(日) 09:40:24.72 ID:JjuYSl4uo
お疲れ様でした。

Entry ⇒ 2014.05.23 | Category ⇒ ガールズ&パンツァー SS | Comments (4) | Trackbacks (0) |
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