坂本「それなら出かけようか」ミーナ「いいのかしら」

1 名前:書きため無しもっミーナ原作時間無視[] 投稿日:2013/01/13(日) 23:49:08.18 ID:XBHi9MXt0
執務室。
コンクリートの壁は、冬の寒さをより際立たせる。
あいにく、暖炉という存在のおかげで
私は何も問題なくペンを動かすことができていた。
まどをふと見てみると、雪がはらはらと舞っていた。
ネウロイは昨日現れたから、きっと今日は大丈夫。
けれど、やはりここ最近は日中もよく冷える。寒い中で出撃となると、心配なのは風邪。
体調管理には気を付けるように、今度のミーティングで言っておかなければならないわね。
窓から紙面へと目線を戻すと、コンコン、という音が聞こえた。
そして、間をあけてもう一度リズムが刻まれる。
このノックの仕方は――――――――
「失礼する」
雪のように白い軍服を着た黒髪が、私が応答する前に室内に入ってくる。
何度も「人が応える前に入るなんて」と小言を漏らしたものだが
「もう、美緒」
「人が返事をする前に入ってこないでって、何度言ったらわかるのよ」
いつだって…今回だってやっぱり、私の頬は緩んでしまっていた。
会いたい人に会えることは、嬉しいもの。
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/13(日) 23:54:40.88 ID:XBHi9MXt0
坂本「おぉ、すまんな」
「許してくれ、ミーナ」
ミーナ「許される気もないくせに」
坂本「まぁ、それはそうだが」
美緒は軽く笑った。
ミーナ「全く、困った人だわ」
本当に、困った人。その笑顔だけで許してしまう。
勿論、勝手に入ったことを本気で咎めるようなことはしないけれど。
彼女は、執務室のソファに腰掛ける。
ミーナ「で、何か用かしら?」
坂本「ん?いや」
「書類がずいぶんたまっているのではないかと思ってな」
ミーナ「手伝いならいいわよ」
「あなたは、可愛い宮藤さんやペリーヌさんの面倒でも見ていたらどう?」
ちょっと、含みを持たせて意地悪に言う。
美緒は小さく苦笑いした。
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 00:01:04.90 ID:YHbotCwW0
坂本「まぁ、訓練も良いがな」
「最近は寒いから、たまには休息を取らねば体調を崩すだろうと思ったんだ」
「だから今日は訓練は休みだ」
ミーナ「あら、それが訓練大好きなあなたのセリフなの?」
坂本「訓練するにも、やはり体を壊してしまっては元も子もない」
ミーナ「どうせ自分は訓練をしていたんでしょう?」
坂本「私は風邪をひくようなヤワな作りはしていないからな」
ミーナ「もう、それで風邪をひいたらどうするの?」
坂本「その時には1日で治すさ」
ミーナ「無理でしょ…」
「とにかく、手伝いは良いの」
ミーナ「でもまぁ…その代わりに私の話相手をしていてくれる?」
坂本「お安い御用だ」
と、その時、またドアを叩く音がする。
丁寧だけれど、どこか力強いこの音は…。
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 00:07:30.39 ID:YHbotCwW0
ミーナ「どうぞ」
ガチャン。扉が開かれるとそこには
私の戦友であり親友である、トゥルーデがいた。
彼女のきびきびとした動きには、普段の真面目さがよく表れていると思う。
バルクホルン「失礼」
ミーナ「どうかしたの?」
バルクホルン「いや、大したことではないんだが」
坂本「何か異変でもあったか?」
バルクホルン「そういうことでもないんだ」
「…最近、書類が忙しいそうだな」
ミーナ「えぇ、まぁ書類の整理が忙しいのはいつものことだけれどね…」
バルクホルン「そうか」
「まぁ、そこでだ。私が手伝おうかと思ってな」
この隊はお人よしばかりね。まぁ、そこが良いところなのかもしれないけれど。
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/01/14(月) 00:12:19.03 ID:YHbotCwW0
ミーナ「大丈夫よ、これくらいならすぐ終わるわ」
バルクホルン「と言っても、ここ最近は働きづめじゃないか」
ミーナ「ちゃんと寝てるわよ?」
バルクホルン「それでもな、隊長であるミーナが体調を崩してしまっては」
「この隊全体に支障が出るんだぞ」
ミーナ「まぁ、それもそうかもしれないけれど…」
バルクホルン「私だって大尉という地位にある身だ」
「そのような仕事を任せるべきだろう」
ミーナ「でも…」
バルクホルン「まったく、こういうところは頑固だな」
それはあなたには言われたくないわ…。
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 00:21:22.81 ID:YHbotCwW0
バルクホルン「しかし私もな、そこまでは予想できていたぞ」
「だから今日は私だけではない」
バルクホルン「私たちが、仕事をする」
ミーナ「え?」
コンコン、というノックの後、再びドアが開かれる。
シャーリー「失礼するよ、っと」
ミーナ「…シャーリーさんまで」
バルクホルン「そうだ、私が呼んでおいた」
「どうせ私ひとりだと任せてはくれないと思ったからな」
シャーリー「まったく、この堅物、ミーナが心配だってうるさいからさ~」
バルクホルン「隊の心配をするのは軍人としては当然のことだろう!」
シャーリー「はいはい…」
「まぁ、ともかくさ、今日は私らが仕事するって」
シャーリー「たまには1日くらい休んでも罰は当たらないぜ?」
ミーナ「うぅん…」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 00:28:12.65 ID:YHbotCwW0
坂本「うむ…」
「では、私も手伝おう」
坂本「それならば、ミーナも仕事を安心して預けられるだろう?」
ミーナ「美緒まで…そんな…」
シャーリー「おっと、それには及ばないぜ!」
私がまた遠慮しようとすると、シャーリーさんがそれを遮った。
そして、立ち上がっていた私と美緒の背中を押す。
シャーリー「今日は中佐だけじゃなく、少佐も休みの日だ!」
「あんたら二人だけで、隊の仕事を抱え込みすぎだって!」
ミーナ「えっ、ちょ、ちょっと」
美緒「お、おい…」
シャーリー「だーいじょうぶだって、私だって、あの堅物だってさ、大尉だぜ?」
「無駄に場数は踏んでないってさ!」
私たちは二人とも、あっけにとられたまま執務室の外に押し出された。
シャーリー「それじゃ、Have a naice holiday♪」
バタン。扉の音が廊下に響いた。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 00:35:10.89 ID:YHbotCwW0
坂本「…」
ミーナ「…」
私たちはしばらく顔を見合わせた後、だんだん可笑しくなってきてしまって
互いに笑い合った。
坂本「はぁ、まったく、この部隊はお人よしばかりだな」
ミーナ「フフ、それを貴女が言う?」
坂本「いや、それもこれも隊長殿の影響じゃないか?」
ミーナ「そ、そんなことないわよ…」
坂本「…まぁ、なんだ」
「釈然としないが、私たちには休暇が与えられたようだな」
ミーナ「そうみたいね」
「なんだか、二人には悪いけれど…私たちが言ったところで聞くような人達でもないかも」
坂本「それもそうだ」
「どうせならこの休暇はありがたくいただいておこう」
ミーナ「今度、彼女たちにもちゃんと休みをあげなきゃね」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 00:41:12.00 ID:YHbotCwW0
そこまで話した後、私はふと気が付いた。
今日は、珍しい、美緒とそろっての休日。
愛しい彼女との時間は限られてばかりだったけれど
今回はあと半日以上ある。
そう思うと、気持ちが自然と高揚してきて
ドキドキという音も早まってきた…気がする。
ミーナ「…美緒、これからどうする?」
美緒「ん…ミーナはどうしたい?」
ミーナ「…」
隊長がこんなで良いのかしら。
そう思った時には、もうすでに彼女の袖に手を伸ばしていた。
美緒「…」
美緒は優しく微笑むと、
私の腕をとって
美緒「私は、二人きりで過ごしたい」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 00:44:31.09 ID:YHbotCwW0
ミーナ「…」
「私も」
1日くらいなら…
許される…かしらね。
もし許されないとしても、
書類が倍増するとか、お堅い上層部に愚痴を垂れ流されるとか
それくらいの罰なら甘んじて受けるわ。
坂本「ん…それなら」
坂本「ちょっと、出かけようか」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 00:53:26.06 ID:YHbotCwW0
――――――――――――――――――――――――――
シャーリー「はぁ、やっと行ったか」
「まったく、真面目な人達だな」
バルクホルン「当然だ。少佐、中佐という階級が与えられるということはそういうことだ」
シャーリー「と言うくせに、休ませたいっていうんだもんなー」
「バルクホルンったら、優し~」
バルクホルン「茶化すな!」
「…」
バルクホルン「家族を気にかけるのは、家族の役目だろう」ボソッ
シャーリー「へ…へぇ」ニヤニヤ
シャーリー「く、くっ…」
バルクホルン「お前…!」
バルクホルン「さ、さっさと仕事を始めるぞ!!」
シャーリー「ハイハイ…くくく…」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 00:59:35.36 ID:YHbotCwW0
――――――――――――――――――――――――――――
私は久しぶりに自室に戻ると、衣服がしまってあるところからコートを取り出した。
いつから着ていないのかしら…着られるかしら。
軽く埃をつまみとると、そのコートに袖を通す。
軍服にコートなんて、不格好。色気も何もないわね。
しばらくすると、美緒もコートを着てやってきた。
美緒も同じで、軍服にコート。
本当にこれはデートなの?
美緒「それじゃあ、行こうか」
ミーナ「…そうね」
それでも、やっぱり
美緒のいつもとは違う優しい声を聞くだけで
私の心はすぐに温かく、熱くなってしまう。
私って単純ね。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 01:04:28.79 ID:YHbotCwW0
基地を出ると、外は一面銀世界だった。
さっきはあまり雪は降っていないと思っていたけれど
いつの間にか雪は強くなって、そのおかげでどんどんと積もっていったらしい。
冷たい風が露出した手に当たって、痛い。
私が手に息をかけて、擦り合わせていると、
美緒は静かに手を重ねてきて
坂本「寒いな」
なんて一言。
ミーナ「本当」
私は、その手に指を
そして彼女の腕に自分の腕をからめた。
坂本「少し歩きにくいぞ」
苦笑いしていたけれど、それでも嫌がるそぶりを全く見せなかったので
私は無視して腕と指を絡めたままでいた。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 01:10:12.01 ID:YHbotCwW0
しばらく歩いていると、
坂本「そうだ、今日はちょうど買いたいものがあったんだ」
と美緒が言った。
ミーナ「そうなの?」
坂本「あぁ、売っているかはわからんが…」
「だから、ちょっと食品が売られているところに行ってもいいか?」
ミーナ「えぇ?…デートなのに?」
私は本当に意地悪だと思う。
美緒とだったら、どこへ行っても楽しいのに。
坂本「駄目だったか?」
少しだけ寂しそうに言う。
美緒は二人きりの時、いつもと変わらないように見えるけれど
本当はちょっと甘えん坊になる。
私だけが知っている美緒。
…私って独占欲強いのかしら。
ミーナ「冗談よ、行きましょう?」
坂本「ありがとう、ミーナ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 01:16:46.91 ID:YHbotCwW0
雪がだんだんと強まってくる。
私たちが商店に入った理由は、もはや雪宿りと言ってもおかしくないほどだった。
雪をかるく落としてから、中に入っていく。
お店の中は、少しだけ温かい。
客の姿もちらほらと見えるが、店主は暇そうにしていた。
きっと、お客さんがあまり来ていないのね…。
坂本「お、あった」
美緒は、お目当てのものを見つけたらしく、
何個か手に取っていた。
ミーナ「それは…」
坂本「生姜だ」
ミーナ「…知っているわよ」
坂本「…生姜は体を温めるからな」
「冬の風邪予防にはもってこいなんだ」
「それで作った生姜湯を、アイツらに飲ませてやろうと思ってな」
ミーナ「へぇ…そうなの」
ミーナ「って、美緒ったら、やっぱり隊の皆のことを心配しているのね」クスクス
33 名前:もっ×ミーナ[] 投稿日:2013/01/14(月) 01:24:00.01 ID:YHbotCwW0
坂本「あぁ…せっかくミーナと二人きりだというのに」
「501のことも頭から離れないとは」
坂本「すまんな…ミーナ」
ミーナ「いいのよ、それなら許すわ」
「だって、私たちは家族でしょう?」
坂本「…フフ、そうか」
ミーナ「それに、私たちがお父さん、お母さんだなんて言われているのも悪くないって、思うのよ」
坂本「…う、うむ」
美緒が少しだけ顔を赤らめる。
こういう反応をされると、ちょっとだけいじめたくなっちゃう。
ミーナ「でも…」
「ペリーヌさんに優しくしすぎると、嫉妬しちゃうかも…」ボソ
坂本「なぜだ?」
ミーナ「…」
私の思いは伝わったけれど、やっぱり扶桑の魔女は扶桑の魔女ね…
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/01/14(月) 01:29:04.92 ID:YHbotCwW0
ミーナ「買うのはそれだけでいいの?」
坂本「あぁ、あと酒粕があればいいんだが…」
「さすがに売っていないか…」
ミーナ「お、お酒!?」
坂本「ん?どうしたミーナ」
ミーナ「い、いや、なんでもないわ」
あの時の経験はいつだって忘れたことはないわ。
私のファーストキスを、ロマンチックでもなんでもない形で…
ミーナ「とりあえず、お酒はやめておいた方が…」
坂本「そうか?」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 01:36:40.94 ID:YHbotCwW0
生姜だけを買うという、何とも不思議な買い物を済ませた私たちは
袋を抱えて、店を出た。
雪は弱まっていたものの、積もった雪は先ほどよりも高くなっていた。
坂本「…酷いな」
ミーナ「どうする?」
坂本「これだけを買って帰るというのもなんだが…」
「帰れなくなっても仕方がない、ゆっくりと基地に向かおうか」
ミーナ「そうね、私もそれが良いと思うわ」
また、腕を組んだ私たちは、来た道を引き返した。
もはやデートと言うよりは買い出しに来ただけみたい。
それでも、私にとっては十分幸せだった。
帰り道は、それほど会話はなかったけれど
その沈黙はとても心地よかった。
41 名前:エイラーニャ書きたい[] 投稿日:2013/01/14(月) 01:41:56.42 ID:YHbotCwW0
基地に着くと美緒は食堂に生姜を置きに行った。
夕食の後、就寝前に作るらしい。
なんだか、おにぎりを作るのもあまり得意でない彼女が
生姜湯とやらをふるまうのはちょっと不安な気がするけれど…
(かくいう私もお料理の評判はあまりよくないのだけれど…)
いざとなったら宮藤さんが助けてくれるかしら。
私は、雪でほんのり濡れてしまったコートを椅子に掛けて
自室のベッドに腰掛けた。
荷物を置いたらミーナの部屋に行く
なんて言っていたけれど
…
…ちょっと、ドキドキしてしまう。
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 01:47:48.90 ID:YHbotCwW0
落ち着かない体をベッドに横たえると、
小さくドアを叩く音がする。
顔だけをそちらに向けると、美緒がいた。
美緒は、ティーセットが置かれたプレートを持っていて
それをテーブルの上においてから、ベッドの縁に座った。
坂本「ちょうど、私がキッチンに行ったら、宮藤とリーネがいたんだ」
「紅茶の準備をしていたようだったから、二人分をいただいてきた」
ほのかに香るよい紅茶の香り。
なぜだか、私の身体の芯は温まって…熱くなっていたけれど
それでも、体の末端は冷たいままだったから、ありがたい。
身体を起こすと、美緒は私にソーサーとティーカップを手渡した。
細かな気遣いがとても嬉しい。
坂本「ん…おいしいな」
「冷えた体にはもってこいだ」
ミーナ「そうね、とても落ち着くわ」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 01:54:43.25 ID:YHbotCwW0
一口、二口と口に含んでいると、
美緒が静かに体をもたれかけてきた。
少しだけドキ、としたけれど
私は動じていないふりをした。
美緒は、いつもと同じ、余裕ある表情を浮かべていた。
ちょっと、悔しい。
美緒は、強いと思う。
辛いことがあっても、悲しいことがあっても
人前には決して出さないし
いつも誰かを気にかけている。
だからこそ、時々私に見せてくれる弱いところが
私にとってはとても愛おしいのだけれど。
美緒は、ティーカップをテーブルの上に置いた。
私も同じく、カップをテーブルの上へ。
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 02:03:04.94 ID:YHbotCwW0
と、突然私の世界は反転した。
私の目の前には、妖しい笑みを浮かべた美緒。
私は、ティーカップを置く隙を狙われたのだ。
このドーベルマンに。
ミーナ「ちょ、ちょっと、美緒」
坂本「ん?何だ?」
美緒は、素知らぬ顔で、尋ねる。
ミーナ「…びっくり…するじゃない」
坂本「そうか?」
ミーナ「突然…だもの」
坂本「…そうか?」
ミーナ「…そうよ」
坂本「嘘だろう?」
「本当は、期待していたんじゃないか?」
「襲われることを」
美緒は―――ぼそりと
耳―――もとで――つぶやいた
ドキドキが――はやくなる――思考が…
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 02:08:01.91 ID:YHbotCwW0
――――――――――――――――――――――
ミーナ「そんな…ことっ」
坂本「否定できるのか?」
ミーナ「…っ」
坂本「…私にはできない」
坂本「お前と、今日を過ごせると知った時から」
坂本「おまえの肌に触れたくて仕方なかった」
ミーナ「は…っ」
坂本「お前は、どうなんだ?」
坂本は、ミーナの耳に舌を這わせる。
ミーナ「あっぁ…」
坂本「触れられたくないのか?」
ミーナ「ぁ…ぁぁ…」
ミーナの身体が小さく震えた。
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 02:13:55.79 ID:YHbotCwW0
坂本「フフ」
坂本は、執拗に耳を責めた。
わざとらしく音を立てて、舌を耳の外側から内側へと滑らせていく。
ミーナ「はっ…はぁ―――っ」
坂本「沈黙は…」
「肯定と判断する…」
舌を耳から離した坂本は、
ミーナの頬に手を添えて、こちらを向かせる。
ミーナがとろけた表情でこちらを見ているのを確認した後で
唇にかみつく。
ミーナ「ふぁ…ん…」
坂本がゆっくりと舌をミーナの口の中に入れると
ミーナは体をびくりと震わせたが
しばらくして、自分からも舌を絡ませるようにした。
坂本「んッ…ン…」
ミーナ「は…はっ…はン」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 02:21:17.74 ID:YHbotCwW0
室内に、水音と二つの息遣いが響く。
しばらくすると、坂本は、舌をひっこめ
唇を離す。
ミーナ「は…ぅ…」
ミーナは少し寂しげな表情を浮かべる。
それを見て坂本は、ミーナの下唇を甘噛みした後
舌でぺろりとなめた。
坂本「ふぅ…」
「…綺麗だ、ミーナ」
ミーナにだけ聞こえる声で、坂本はつぶやく。
ミーナは顔を真っ赤にして、そらした。
それを見た坂本の心は、さらに熱く昂っていく。
ミーナの軍服に手をかけると、器用にボタンをはずしていく。
あらわになる、豊満な身体。
ランジェリーが、ミーナの大人びた体をよりなまめかしく見せた。
坂本は、その胸の谷間に、舌を這わせる。
ミーナ「ふッ…!ぅ…」
坂本「ん…」
ミーナの身体は、より敏感になっていた。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 02:29:42.18 ID:YHbotCwW0
坂本は、しばらく谷間と鎖骨の間を往復させた。
そのたびにミーナは小さな嬌声をあげ
身体を震わせる。
坂本は頃合いを見計らって、ミーナの背中に腕を回した。
ランジェリーに手をかけると、素早くそれを取り去る。
ミーナ「やっ…みお…っ」
ミーナは恥ずかしそうに体をひねらせた。
ミーナ「み、みおもっ…」
坂本はそれを聞くと、自分の軍服を脱ぎ始める。
ミーナと同じ状況になった坂本は、再びミーナの胸を弄り始める。
ミーナ「はぁっ…!」
刺激がダイレクトになり、ミーナの反応も先ほどより大きなものになる。
胸の先端はすでに硬くなってしまっていた。
坂本「気持ち…いいか…?」
その先端をくわえ、かるく噛みながら坂本は問う。
勿論ミーナはそれにこたえられるわけはないが
そのなまめかしい声が、その問いの答えそのものであった。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 02:36:22.79 ID:YHbotCwW0
坂本は、胸への刺激をつづけた。
その一方で、あいている手を下腹部へと滑らせる。
ミーナ「んっ!だ、だめ…っァ!」
ミーナは腰をよじらせたが、その行動は既に手遅れであった。
ズボンを軽くずらし、汚れないようにした坂本は
その手を割れ目へと滑らせていた。
既にそこは、蜜であふれていた。
坂本「駄目、か」
「説得力が無いな、ミーナ」
指を、軽く這わせて、指の腹でその小さな突起を擦る。
ミーナ「あァ…ぁぁっ…みおぉ…」
ミーナの頭の中にはもう、坂本と快楽しか存在していない。
その刺激と、その刺激を与える存在を認識するだけで精一杯であった。
坂本「なんだ、ミーナ…」
ミーナ「はぁぁっ…!あぁ、あぁぁ」
腰が自然と動く。
それは、よりつよい刺激を欲しているように見える。
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 02:42:19.32 ID:YHbotCwW0
坂本「入れてほしいんだな、ミーナ」
ミーナ「はぁっ、はぁっ、ぁ、ぁ」
ミーナは体をぶるっと震わせながら、小さくうなずいた。
坂本「そうか…」
「じゃあ、挿れるぞ」
坂本は、割れ目に這わせていた指を、ゆっくりと滑り込ませ
そして的確に、ミーナの快楽のツボをつく。
ミーナ「ぁぁぁ…!!」
ミーナは、自然と坂本の背中に腕を回していた。
坂本はそれに動じずに、胸を吸い、なめ、噛み続け
同時に舌を擦り、つまみ上げた。
ミーナ「ぅっ、ぁぅ!」
坂本「ここが良いんだな」
ふふ、と軽く笑うと、その指の動きを激しくさせる。
先ほどとは違う水音が、部屋にしめっぽく響く。
ミーナ「ぅぅぅっ…!!」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 02:48:43.07 ID:YHbotCwW0
ミーナの息遣いが荒くなる。
段々とその声も、声にならない声となっていく。
ミーナ「――っ!っぁ――!」
愛しい人に、あらゆるところを支配されている。
体の内側から、全身を弄られる感覚。
坂本「もうそろそろ、楽になりたいか?」
「ミーナ…」
ミーナ「っ――――!っ―――!」
ミーナはその言葉を聞き、少しだけ肯定の意を示した。
坂本「…」
ミーナ「ぃぁぁぁっ…!!」
坂本は、その指の動きをさらに激しくさせた。
唇を胸から離して、耳へと近づける。
坂本「愛しているよ、ミーナ」
ミーナ「―――――――――――ッッッ!!!」
その瞬間、ミーナの身体はひときわ大きく跳ねた。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 02:54:58.95 ID:YHbotCwW0
――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
はっ、と目が覚めた。
あれから、どれくらいの時間がたったのかしら。
気付けば、灯りのつけていないこの部屋が薄暗くなっている。
…
…体が重い。
頭がボーっとする。
下腹部がジンジンする。
ついでに胸も…なんだか変な感じがする。
久しぶりだったからかしら。
とても、気持ちが昂ってしまって
美緒を思い切り求めてしまった気がする。
…恥ずかしい。
目の前には、私を襲った…というと、なんだか私が一方的な被害者みたいだけれど
そんな、張本人が静かに寝息を立てていた。
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 03:05:04.95 ID:YHbotCwW0
いつもの精悍な顔つきからは想像もできない、無防備な姿。
あんなに求めていたけれど、
今は、ただただ愛おしく、抱きしめたくなるような気持ちだ。
…同時に、私と言う存在がひどく脆いものに感じられる。
もし、貴女がまた…
この戦争が終わって、自分の国に帰ってしまったら…
私は、いったいどうなってしまうのかしら…。
「ずっと…いっしょにいたい…」
その言葉は、きっと近くにいる彼女の耳にも届かないで、
この空間に溶けて消えてしまったでしょう。
瞳からは、自然と涙がこぼれていった。
もし、この時代に生まれなかったら
ずっと一緒にいられたかしら。
なんて、どうしようもないことを考えてしまう。
いっそ、この雪のように
貴女の白に、溶けてしまいたい――――――
そうしたら、ずっと一緒にいられるのに…
「私も…愛しているわ、美緒…」
(おわり)
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 03:09:05.83 ID:YHbotCwW0
支援ありがとうございました。
いろいろ悩んだ結果今日はストパン、もっミーナ。
シャッキーニもエイラーニャも書きたい。
ストパンライブに行った奴は永遠の眠りについとけ。
あと、こんな時間まで起きると脳が腐るから支援するなら寝ろ。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 03:11:45.54 ID:AD75Xkq60
乙
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/14(月) 03:40:15.10 ID:vtM6BIas0
乙ナンダナ
おすすめSS
美緒「最近ミーナが冷たい、気がする」
急に美緒に対し、距離を置くミーナの心境は?美緒は芳佳とリーネに相談をする、芳佳達の作戦とは?
芳佳「配給物資が『たけのこの里』…!?」坂本「そうだ。不満か?」
永遠のテーマ!?あなたの好きなウィッチはどちらが好み?そしてどちらに軍配があがる!?
ミーナ「ネウロイのせいでオタク化?」
色々なネタ満載です、大体リアルでもこんな感じにひきこまれますよね。
ゲルト「フフフ… この世の中の妹はすべてこの私のものだ!」
お姉ちゃんの妹計画!その対象は安価で決まる!!
エイラ「サーニャのおっ□い画像キボンヌ・・・と」
惚れ薬を通販(笑)で入したエイラ、しかし飲む人物は安価で決まる!!
この記事へのコメント
もっさんこんにゃろ!!でもミーナさんが満足したんなら許す
でも返事する前にドア開けられるとホント腹たつよね!
でももっさんなら許せちゃう
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乙